ブッポウソウの営巣地、天龍村を訪ねて

 20年くらい前、新緑が濃くなる五月頃、毎年やって来る綺麗な小鳥がいたと言う。村の一人が何気なく見かける小鳥は何だろうと調べると野鳥の中でも珍しい「ブッポウソウ」と分かったそうだ。

 この子鳥は村の中で営巣活動を続け雛が大きくなった八月頃帰っていく、そして数少ない貴重な小鳥ということが分かって以来、村全体で保護活動を開始したのだ、とお寺の住職から教えてもらった。

 

 ブッポウソウの単語をWebで検索すると天龍村役場が出てくる。画像で見るブッポウソウは南国的でエキゾチックな風貌をしている。この鳥を一目見たいと、天龍村役場行きを決めたのは今年の四月であった。

 豊橋駅から飯田線に乗り2時間30分、下車する駅は平岡駅である。駅から坂道を天竜川に向かって下っていくと鉄筋建ての村役場が見えてくる。この庁舎の屋上に巣箱が設置されているのだ。

 巣箱は、雛の生育状況が分かるようにカメラが仕込まれ観察できるようになっていて、役場入口のモニター画面に雛の様子が映し出されていた。

 

 役場の横にお寺があり、ここで親鳥が運ぶ餌など巣箱の出入りは、境内から撮影させてもらえる。お寺は「自慶院」と言い、このお寺の住職が現在もブッポウソウを守る会の会長として村の子供たちへの巣箱の掛け方など野鳥教育に熱心に取り組んでいる。 


雛への餌は、トンボとか蝶が多い。良く見降ろせるアンテナの上に止まっていて、目標を見つけると急降下する。

大きさは、鳩を一回り小さくしたような大きさ。餌を咥えて巣箱に向かっている。右は、求愛給餌。左側が雄。

 

撮影地;長野県天龍村

撮影日;2018.7.2