アルピノのバンを観察


 昨年の9月、先輩カメラマンのT・Kさんから白いバンがいるという情報を頂き、現地には三度ほど行きましたが、いずれの日も不発に終わりました。今回、他の方のブログを見ていたら白いバンの記事が掲載されており、早速現地に確認に行ってきました。

 

 この池は公園になっていますが、半分が調整池にもなっていて後の半分は中央が島になっており葦が密生しています。カモ類も多少はいますが、この池ではバンの数が圧倒的に多く、葦原がバンのコロニーになっています。

 

 階段を降り池を覗くとカルガモが出迎えてくれました。池の周りを回っていきますが、バンの姿は見えません。ようやく半周したくらいの時、いました、今まで見たことがない白いバンの幼鳥が一羽だけで泳いでいました。

 

 見た所、普通のバンの幼鳥と姿・形は変わりなく綺麗な鳥で、色だけが薄いと言ったところです。アルピノ・バンと言うそうです。

 

 他の方のブログ記事を参考にすると、アルピノが成鳥になるのはなかなか難しいのだそうです。

 アルピノは、染色体の異常でこのバンのように黒色が欠落して白色化するそうな。また、アルピノは正常なバンとは違い保護色ではなく目立つため自然界で生きていくのは容易ではないとのことです。

  

 このアルピノのバン、目立つため分かり易いのですが、警戒心が人一倍強く直ぐに葦の中に隠れてしまいます。最も長生きのためには警戒心は必要なことで良いことですが。

 

 観察をしていて、同時期に生まれたバンの幼鳥が群れで行動しているのに対し、この白いバンはその群れの中には入っていけないようでした。仲間に見られないアルピノのバンが少し気の毒に思えてなりませんでした。

 私たちは珍鳥だと勝手に騒いでいますが、鳥は生きていくのに大変ですね。

 

 この池は、近所に住んでいる方の散歩コースになっており、散歩をする方が時折餌を上げており、普通のバンが我先におねだりするのに対し、エサ取りの下手なアルピノを気遣いそちら向けに特別に餌を与えていました。

 地域の方も温かい目で見守ってくれているのだなと感じ取れました。是非、大きく元気に育って欲しいものです。

撮影場所;町田市 H公園

撮影日時;2018.8.18