旅に疲れたコハクチョウの悲しい最期

 先月の10月30日、先輩カメラマンのTさんから、伊勢原市のY倉庫付近の田圃にコハクチョウがいるとの情報を頂きましたが、なかなか場所が特定できず現地に行けませんでした。

 

 今月11月3日は土曜日でしたが平塚の田圃にタゲリを撮影に行き、そこでたまたま撮っていた方の中にコハクチョウを撮影した方がおられ、詳しい情報を聞いて帰りに寄ることとしました。最初の情報から一週間も経っていましたが、念願のコハクチョウを撮影できました。

 

 実は、現場に到着してからどこにいるか分からなかったのですが、コハクチョウと最初に関わったという野鳥仲間の方が教えてくれ、道路の端に立っている「コハクチョウ」をやっと見つけられました。

 カメラ置いている車に戻りましたが、その間にコハクチョウはU字溝に移動していました。コハクチョウは溝の中に横たわり、よく見るとかなり弱っているようで時折り口をパクパクさせていました。幼鳥とのことで餌を十分に確保できずお腹が空いていたのかも知れません。写真を拡大すると首や胸の周りには植物の種子が付いており、それを払う気力も残されていなかったようです。

 

 コハクチョウを撮影した後、教えて頂いた野鳥カメラマンの方は、白化・ハクセキレイの現場でも一緒になり、お礼を伝えると共に衰弱していることを告げると同感され、その方は野鳥の会会員の知り合いをとおして県の七沢鳥獣保護センターに連絡すると仲間に電話をしていました。

 

 二日経って5日の月曜日にコハクチョウが気になり再び現場に向かいました。元気に立って迎えてくれるかなと期待しながら。しかし、その姿は見当たらず、無残にも首をうなだれ小さくなったコハクチョウをU字溝に見つけました。

 

 今回、私を含めて多くの野鳥カメラマンがこのコハクチョウに関与したと思うのですが、旅に疲れた野鳥の保護が何故できなかったのかと悔やまれます。もっと早く専門機関に連絡していれば然るべき対応ができ、命を救えたかも知れないと思うと残念でなりません。あんなに大勢の野鳥カメラマンが見ていたのに・・・・。

  

 コハクチョウの死が余りにも痛ましく、あの時土曜日でなければ、鳥獣保護センターに連絡が取れていればと野鳥に関わる者の責任が果たせなかったことを後悔して止みません。

 

 最期になる写真の掲載を躊躇しましたが、正しく経過を伝えるべきだとブログを作りました。

 コハクチョウが安らかに旅立つことを祈りたいと思います。


U字溝に横たわるコハクチョウ。

 

撮影場所;神奈川県伊勢原市

撮影日時;2018.11.3 午後3時28分