朝晩が寒さを感じるようになり、山や海は日本で越冬をするために続々と冬鳥たちが押し寄せています。
先日は相模原市のT池に、渡り途中の水鳥達を見てきましたが、ウミネコやカモメばかりだった海にも越冬のために水鳥達が沢山やって来ています。
久々の漁港でしたが、昨日は釣り人を凌ぐ野鳥撮影のカメラマン達で賑わっていました。お目当ては、北の国から渡って来た「ウミスズメ(海雀)」です。
到着したのは10時過ぎで、晴れているため海面もブルーに見え海鳥の撮影には持って来いの条件です。カメラをセットしながら沖合を見ると、早速、四羽のウミアイサの群れが近づいて来ています。この四羽の群れは全て雌でしたが、隣の岩場にもに二羽のウミアイサが浮かぶのが見え、どうせ雌だろうと思いながら二羽並んだ所をついでに撮っておきました。
結果的にこのついでが功を奏し、後から拡大して良く見ると、雌とは違う顔の黒いウミアイサの雄が撮れていました。偶然とは言いながら、ウミアイサの雄が撮れたことはラッキーでした。雄が二羽同士と雌雄カップルの二枚が得られました。ウミアイサの雄は警戒心が強く、雌のように顔を見せず、昨年は何回もこの漁港に通いましたが撮れるのは雌ばかり、雄の写真は空振りでした。今回、ウミアイサの雄を初めて撮ることができました。
ウミアイサ雄の写真は偶然に得られたためなのか余り感激が湧いてきません。これは人間の本性なのかも知れません。苦労しながら狙って達成できたものではなく、たまたま撮れてしまったことには喜びや感激に結びつかないのかも知れません。二羽の雄を現認しましたので近いうちに再挑戦です。
さて、ウミスズメですが中々手強い被写体でした。小さい上に直ぐに飛んでしまい、カイツブリのように潜水したかと思うと息継ぎで顔を出す所が全く予測できません。こうした難しい状況の中で初撮りできたことは大変な感激です。
既にウミスズメを撮られた地元の方たちは、防波堤のここまで来た、漁港の中に入った所を撮ったとか話を聞きました。今回、ウミスズメの行動パターンを顧みるとどうも追い込み漁をやっているのではないかと推測できました。
管理人なりに解釈すると、沖合で一列に並んだ七羽のウミスズメ達は潜りを繰り返しなから漁港の入口まで小魚を追い込んできているのです。漁港入口の一方は壁になるため、潜水しながら群れで小魚を追い詰め、逃げ場のなくなったことを確認するや否や急激なターンをして獲物を追い詰め確保しているのです。群れで潜水しながら追い詰めるウミスズメは巧妙で港内入口の防波堤付近は、ウミスズメから逃げる大量の小魚が海面に押し上げられ、飛び跳ねている光景を目にしました。ウミスズメ、漁師顔負けの知略に長けた業師です。
ウミスズメの生態は、ウィキペディアを参考にするとユーラシア大陸東岸からアリューシャン列島、千島列島そしてアメリカ大陸北西部で繁殖を行い、北日本各地に越冬のため渡って来るとあります。体長僅か25センチの小さな体で長い旅をしてきたお客様です。鳴き声がとても雀に似ており「海の雀」と名付けられたものと思われます。この漁港は小魚が豊富なので特に心配はありませんが、寒い冬に負けることなく元気に乗り越えて欲しいものです。
囲い込み漁をするウミスズメの群れ、小魚を港内まで誘導して追い詰める。
ウミアイサのカップル、二羽のウミアイサ雄、獲物をゲットしたウミアイサ雌
撮影場所;神奈川県横須賀市
撮影日時;2018.11.16、2018.11.18
コメントをお書きください
十兵衛 (日曜日, 18 11月 2018 07:39)
今年もアイサの来る時期になりましたね。青い浪波を漂う海アイサのカップル絵になります。もう直ぐ林道にも冬鳥たちが来てくれるでしょう? 早くこいこい紅猿子。
鳥の宴管理人 (日曜日, 18 11月 2018 22:20)
十兵衛様
久々のコメントをありがとうございます。冬の野鳥達がドット押し寄せてきて大変です。
毎日、天気予報とにらめっこをしながらの日が続きますね。
海や川は、太陽光線があるかどうかで目が出たり出なかったりしますので、秋のシーズンは大変です。
ところで、鳥さん仲間の不確かな情報ですが、H林道には先遣隊が到着しているようです。「ケリ」もケリを付けなくてはいけませんし、忙しくなります。