留鳥となったサカツラガン(酒面鴈)

 H林道には早くも赤い鳥の先遣隊が訪れているとか、11月の中旬に入りやっと朝夕の冷え込みが強くなり、山の紅葉も一段と進んでいるようです。H林道は、「ベニマシコ」の撮影ポイントとして良く知られ、野鳥カメラマンの間では人気のスポットとして多くの野鳥カメラマンが訪れてきます。

 

 ベニマシコとの出会いは三年前になります。先輩カメラマンのK・Tさんから場所を教わり、早速レンズに飛び込んだ赤いベニマシコを見て、世の中にはこんな綺麗な鳥がいるんだと感激し、そんなに動きの速い鳥でもないのに、一挙手一投足を逃すまいと夢中でシャッターを押しまくり、気が付いたら二千枚を超えて整理が大変だったことを記憶しています。

 初めて見て、初めて撮る鳥はこんなにも感動するのかも知れません。

 

 今日の主役、サカツラガン(酒面鴈)も初めて見る鳥なのですが、小鳥のように見つけにくく動きが速いと言うことはありません。ウィキペディアの情報によれば、サカツラガンはカモ目カモ科に属し河川や湖沼に生息し、夏季にはカザフスタンや中国北東部そしてモンゴル南部で繁殖し、冬季は中国南部や朝鮮半島に越冬のために渡って来るとのことです。日本にも過去渡って来たとの記録もあるとか。

 

 そんな鳥が春日部市のO公園には留鳥となって生息しているのに驚きです。勿論、春には雛が産まれ何羽かが無事成鳥となって独り立ちしているようです。ただ、周辺にはカラスが多く、犠牲になる雛も多いとか。町田市のY公園のカイツブリも同じ状況ですが、大きいが故にカイツブリのように小回りが利き、激しく攻撃が出来ないように見え、カラスの執拗な攻撃には小さな雛を守り切れないのでしょう。ただ増えすぎると違った問題は考えられそうですが・・。

 

 サカツラガン(酒面鴈)の顔は、「酒を飲んだ時のように赤い顔をしているから」と先輩の野鳥カメラマンから聞きましたが、頬が少し茶色をしているものの酒を飲んだようには見えません。クチバシの根本部分が白く輪を成しており、遠くからはこの白い輪が大変目立ちました。

 目は小粒で、背中から頭にかけて茶色の毛で覆われておりそして頭の毛の中に位置しているため、目が無いように見えました。カップルが四組以上出来ており、春五月の繁殖期には雛を連れまわる姿が見られるようです。

 

 このサカツラガン、どうも飼っていたものが野生化したようなのですが、地元の方の手厚い保護が行われているようで頭が下がります。元々の個体そのものが少なくなっているとのことなので稀少な繁殖地になるかも知れません。

 

撮影場所;埼玉県春日部市 O公園

撮影日時;2018.11.21