小田原城のお濠でカルガモに交じって「ハシビロガモ(嘴広鴨)」が越冬


 冬鳥が北の国から越冬のため、山や川そして海にと色々な種類の鳥が次々とやって来るので、野鳥撮影のカメラマンは毎日を忙しく過ごしていることでしょう。この季節、心配なのは女心と秋の空、天候が急変するのだけは気がかりです。

 

 さて、皇居のお濠にはヨシガモが毎年やって来てカメラマンで賑わっていると聞いていましたが、小田原城のお濠にも鴨の種類では比較的珍しい「ハシビロガモ(嘴広鴨)」が越冬しています。雄が二羽、雌は一羽が泳いでいました。

 

 皇居もそうですが、小田原城址公園には多くの見学者が行き交い、野鳥にとって決して良い条件、良い環境とは思えないのですが。都会の中の野鳥は、先ず第一に生きていけるだけの充分な食料があること、第二に危害を加える者がいなくて安心であると彼らなりに学習しているのですね。

 

 ハシビロガモは、ユーラシア大陸や北アメリカ大陸の高緯度から中緯度地方で繁殖が行われ、冬季には、アフリカ大陸、北アメリカ南部、ヨーロッパ南部、インド、中国南部そして日本に南下して越冬をするとのことです(☆)。大きさは、約50cmでカモ目、カモ科、マガモ属に分類されています(☆)。

 

 管理人は最初にこの水鳥を見た時、シャベルの様な大きなクチバシにびっくりし、水の中ではともかく陸上ではあの分厚い嘴を引きずって歩けるのかと心配になりました。

 幅広のクチバシ、それなりの理由があるんですね。大きな口は小さな歯が並んでいて漉器(こしき)の役目をしているんです。普通の鴨は、藻や植物片を食べていますが、ハシビロガモは水中の浮遊物やプランクトンを大きな口で取り込み、濾(こ)して食べているそうです(☆)。

 

 お濠は閉鎖領域のため水の出入りは制限されており、ハシビロガモ達のお陰で水中の浮遊物やプランクトンが減り、ある意味で水質浄化に貢献しているのかも知れません。

 

注)☆印は、ウェブ版ウェキペディアのハシビロガモを参考にしました。

撮影場所;神奈川県小田原市 小田原城 お濠

撮影日時;2018.12.4