鹿児島県出水市に渡来している、ナベヅルとマナヅルは何と1万4千羽

 昨年、神奈川県相模原市葉山島には一羽のナベヅルの幼鳥が降り立ち三月頃まで逗留していました。彼の地で元気を回復し何とか北の国に渡ったようでした。薄茶色の首が三月の初旬頃には白色が多くなっていました。

 

 ナベヅルとマナヅルは、中国東北部やロシアの境を流れるアムール川流域とそれよりやや北の地域で繁殖し、朝鮮半島、中国揚子江流域、そしてわが国には西南日本に渡来して越冬するとのこと、繁殖地は、山沿いや谷部にある苔の多い湿原とのことです。越冬地は、やや乾いた湿地としていますが、開発で無くなり水田が越冬環境になっているとのことです(☆)。

 

 ナベヅルは世界の生息数が一万羽程度、マナヅルの場合は世界の生息数は五千羽から六千羽しかいないそうですが、今回訪れた鹿児島県の出水市には、ナベヅルは推定数の8割から9割、マナヅルは5割の2千5百羽から3千羽が渡来しているとのことです(☆)。

 

 レンタカーを借りて出水市のつる観察センターを訪ねましたが、途中の水田には黒い色のナベヅル発見、早速カメラを取り出して撮影開始です。カップルの内、一羽が首を伸ばして辺りを警戒し残る一羽が黙々と採餌をしています。少し遠いので間合いを徐々に詰めて行くと見張りのツルが突然グルグルと鳴き出し、採餌を止め二羽が首を大きく伸ばして警戒モード状態です。飛ばれないよう睨みあいを続けましたが、結局このカップルはこの場所を諦め飛び去ってしまいました。

 

 人家に近い所にて来ているので、人には慣れているのではと高を括っていましたが、警戒心の強い鳥と言うことが改めて分かりました。美味しい餌を食べていても、三脚を立ててカメラを向けただけで、飛翔体制に入り逃げ去ってしまいます。

 

 解決方法は車の中からです。試しに車に乗って近づいてもツルは逃げようとしません。カメラのレンズを向けても同じで、足が見えなければ警戒されることはないようです。車を停止して撮影するのは往来に支障を来たしますので、今回、収穫の済んだ広い農道に入らせて頂き撮影をさせてもらいました。

 

注)☆印は、ウェブ版ウェキペディアのナベヅルとマナヅルを参照いたしました。

撮影場所;鹿児島県出水市 つる観察センター付近 

撮影日時;2018.12.10