やっと近くまで寄って来た、越冬中の「ウミアイサ(海秋沙)」のオス

 ウミアイサは、二年前に横須賀市の長井漁港近くの沖合で、メスが群れで泳いでいるのを見たのが初めてです。カワアイサと同じように集団で追い込み漁をしていて群れを組んでいたものと思われます。この群れの中にはオスはいませんでした。横須賀市の漁港には何回か訪ねていますが、オスのウミアイサにはまともに出会っていません。

 

 今回、浦安市の日の出三番瀬で、念願のウミアイサ雄の写真を3年目にしてやっと撮ることができました。ウミアイサのオスは警戒心が人一倍強く、人のいる所には近寄ってこないのです。そんなウミアイサですが、早朝は油断しているのでしょう、二組の夫婦と思われるウミアイサが岸辺に近いところで仲良く遊んでいました。

 

 ウミアイサは、カワアイサによく似ていますが、少しずつ違いがあります。先ず決定的な違いは目の色です。ウミアイサは、オス、メス共に赤い色をしていますが、カワアイサは黒色です。次は、冠羽の状態です。ウミアイサの冠羽は、オスメスともに逆立っていてうなじの所までありますが、カワアイサのオスには冠羽がありません。カワアイサのメスにも冠羽はあるのですが、ウミアイサのメスのように逆立ってはおらず短くまとまっています。 

 

 ウミアイサは、カモ目、カモ科に属し、ユーラシア大陸中北部や北アメリカ中北部で繁殖し、冬季はヨーロッパ南部、中国東部、朝鮮半島、北アメリカ西海岸そしてメキシコ湾などに渡り越冬するとのことす(☆)。 

 

 今回撮影したウミアイサのオスの一羽は、残念なことにクチバシに釣り糸が絡んでいるのが確認できました。違和感からか時折り口を開け閉めしておりましたが、辛うじて餌は捕ることができるでしょうか。おそらく、釣り人が何かの理由で離した糸付きの魚を食べたために起きたことと思われます。釣りをする方は、魚を主食にする野鳥もいるのでリリースには十分な注意が必要でしょう。

 

☆印は、ウェブ版ウィキペディアのウミアイサの解説を参照しました。 

撮影場所;千葉県浦安市日の出三番瀬

撮影日時;2019.1.16