毛玉のように膨らんだ紅猿子がタデの実を貪る。


 朝の陽ざしが明るくなり、確実に春に向かって前進していると感じるようになりました。

 大学入試のセンター試験が行われるこの時期になると、宮ケ瀬は森の奥なので雪が積もったりしていますが、今年はまだなさそうです。午後から宮ケ瀬のH林道を訪ねてみました。

 

 道すがらのH橋の上では、クマタカ狙いのカメラマンが四・五人固まり賑わっていました。知り合いに状況を尋ねると今日は出が良く三・四回撮ることができたとのことです。繁殖の時期ではないのでクマタカの空腹度と獲物の出現率に依存する写真撮影で、ひたすら根気との勝負になります。が、満足の写真が得られた時は苦労した分格別でしょうか。

 

 ベニマシコのポイントはK橋の手前の斜面地で、周辺一帯にタデ科の植物が自生しており沢山の種子を付けていてそれをベニマシコ食べに来るのです。

 

 ベニマシコの生態ですが、日本の他、中国、カザフスタン、朝鮮半島、ロシアに生息し、日本では夏鳥として北海道や青森県の下北半島で繁殖し、本州以南に渡って越冬するとのことです。スズメ目アトリ科に属する小さな鳥です(☆)。

 繁殖期には昆虫なども食べますが、越冬先で植物の種子などしか食べないようです(☆)。蛋白源を摂取しないで植物の種子だけなので食べる量は半端ではありません。啄(ついば)むと言うより貪(むさぼ)る感じで、タデの実を食べます。無我夢中で食べており、カメラマンが近付いても逃げようとしません。

 

 寒さを防ぐため毛玉のように膨らんだベニマシコが、タデの小枝に乗ってもたわむことなく軽く、一心不乱にタデの種子を食べる姿を見ていると生きるために必死なんだなと改めて考えさせられてしまいます。寒い冬を元気に乗り切って欲しいものです。

 

注)☆印の文章は、ウェブ版ウィキペディアの「ベニマシコ」の項目を引用及び参照いたしました。 

 

ベニマシコのオス(上段)とベニマシコのメス(下段)

撮影場所;神奈川県相模原市 H林道

撮影日時;2019.1.18