遠いシベリアからやって来ている、オオハクチョウとコハクチョウを観察に栃木県大田原市の羽田沼(ハンダヌマ)に。

 オオハクチョウはユーラシア大陸の北部地域で、コハクチョウは更に遠い北方のシベリアで繁殖するそうです。そこから越冬先の日本には、オオハクチョウが3,000Km  、コハクチョウは更に遠い4,000Kmの道程を途中休憩しながら2週間程度で日本に渡って来るそうです(☆)。追い風や気流に乗ったりしながら平均時速は50Km(☆)で飛んでいるとのことですから、飛行するのに相当な体力を必要とするようです。

 

 日本でもオオハクチョウやコハクチョウの越冬先は限られた地域で、有名な越冬先は宮城県の伊豆沼が良く知られていますが、栃木県の大田原市羽田沼(はんだぬま)もオオハクチョウやコハクチョウの渡来地としてウェブに紹介されています。今回、初めて羽田沼(はんだぬま)を訪ねました。

 

 羽田沼は谷戸の一角にあり、農業用水としての役割を持っているようでそれほど大きな沼ではありません。大田原市の観光協会ではオオハクチョウやコハクチョウの渡来地として取り上げていますが、国の天然記念物の「ミヤコタナゴ」(日本古来のフナ)の生息地に指定されたため、餌やりが難しく年々ハクチョウの飛来が減少しているとのことです。管理人が訪れたときオオハクチョウは三羽しかいませんでした。

 

 羽田沼に渡来しているハクチョウたちはどうしているのだろうと心配しておりましたが、羽田小学校の脇を通る道をどんどん進むと途中から「コォーコォー」と一際大きなハクチョウの鳴き声が聞こえてきます。見ると田圃に水が張られ、オオハクチョウやコハクチョウそしてそれらに混じって沢山のカモが泳いでいました。

 これまで羽田沼に来ていたハクチョウたちのために、篤志家の農家さんが特別に溜池を用意したのです。供給する水や餌代は半端な額とは考えられず、本当に頭が下がります。詳しい経緯は分かりませんが、末永く続けていくために観光協会等が町興しの一つとして取り組み、支援の輪を広げて行って欲しいものです。

 

注)☆印は、Web版、Nature Photo Gallery 越智 伸二さんの解説及びウィキペディアのオオハクチョウ及びコハクチョウの解説を参照いたしました。

 

羽田沼のオオハクチョウ(一枚目)及び篤志家さんの溜池のオオハクチョウ

コハクチョウの親子(灰色の二羽は幼鳥) 注)コハクチョウとオオハクチョウの違いは、クチバシにあります。オオハクチョウは、黄色部分がクチバシ先端まで三角状に切り込みがあるのに対し、コハクチョウはありません(☆の解説参照)。

撮影場所;栃木県大田原市羽田 羽田野鳥公園及び羽田地番先水田

撮影日時;2019.1.22