奄美大島は早くも初夏、国天然記念物のルリカケスやアカヒゲそしてオーストンオオアカゲラは繁殖を前に恋の囀りで森を覆う。

 今週、知人で先輩カメラマンのMさんと二人で3月25日月曜日から27日の水曜日の日程で、鹿児島県奄美市の奄美大島を訪ねました。勿論、奄美大島固有の野鳥の撮影が目的で観光ツアーで申し込んではいますが観光は行っていません。

 奄美大島には、標題にも記載しておりますように国指定の天然記念物の野鳥が沢山生息しており、野鳥カメラマンの垂涎の場所にもなっています。

 

 天候は、初日こそ雨に祟られましたが残りの二日間は快晴となり野鳥の撮影を順調に行うことが出来ました。奄美大島は野鳥の宝庫、奄美自然観察の森でお会いした野鳥カメラマン氏は一週間くらい滞在して野鳥の撮影を行っているとのことでした。島内をくまなく観察できる余裕があり大変羨ましく思いました。潤沢な資金のない私たちに許される日程はせいぜい三日から四日でしょうか。

 

 しかしながら、今回訪ねた奄美自然観察の森は、奄美大島に生息する野鳥の八割方が生息しているとされ、この二日間で第一の希望である国天然記念物のルリカケスやアカヒゲそしてオーストンオオアカゲラを写真に収めることが出来ました。

 

 また、初日にはアカヒゲが出るのではと待っていた所に、偶然にもリュウキュウサンショウクイの群れが来てこの撮影を行うことが出来ました。更に、水飲み場ではルリカケスを待つ間にアオバトの枝止まりと水飲みの写真を撮ることが出来ました。実は、このアオバト、同行したMさんが図鑑で良く調べ直した結果、ズアカアオバトと判明、ラッキーでした。

 

 私たちが宿泊した宿は龍郷町にあり浜辺が近く、二日目は快晴で朝からアマミイソヒヨドリの綺麗な鳴き声で起こされ、時折ギャー・ギャーとルリカケスの鳴き合う声が聞こえてきます。サーフィンを楽しむためにやってきた女性は、二階のベランダの淵に止まったルリカケスを携帯で撮ったと喜んでいました。携帯でも撮れるルリカケス、数は確実に増えて島内どこでも見られるようになっているようです。

 

 手軽とは行きませんが気の合った仲間同士で奄美大島の野鳥撮影なども計画されては如何でしょうか。色々な種類の野鳥が一堂に集まる「奄美自然観察の森」、短い期間でしたが野鳥観察を充分に堪能することが出来ました。機会がありましたら国の天然記念物の沢山いる奄美大島に是非訪ねることをお勧めいたします。

囀るアカヒゲ(赤髭) 奄美大島固有亜種、1970年国の天然記念物に指定。

撮影場所;鹿児島県奄美市龍郷町円 奄美自然観察の森  撮影日;2019.3.26

ルリカケス(瑠璃橿鳥) 奄美大島固有種  1921年国の天然記念物に指定。

撮影場所、撮影日、同上。

オーストンオオアカゲラ(オーストン大赤啄木鳥) 1971年5月 国の天然記念物に指定、奄美大島のみ生息。

撮影場所;鹿児島県奄美市龍郷町円 奄美自然観察の森  撮影日;2019.3.27

リュウキュウサンショウクイ(琉球山椒喰)  日本固有亜種(沖縄県や九州南部に留鳥として生息)

撮影場所;鹿児島県奄美市龍郷町円 奄美自然観察の森  撮影日;2019.3.26

偶然撮れた、ズアカアオバト(頭赤緑鳩)

撮影場所;鹿児島県奄美市龍郷町円 奄美自然観察の森  撮影日;2019.3.27

アマミイソヒヨドリ(奄美磯鵯)   綺麗な囀りは、目覚まし代わり。宿泊先の軒先や屋根の上で鳴いていました。

撮影場所;鹿児島県奄美市龍郷町赤尾木   撮影日;2019.3.26