町田市薬師池公園では、早くもカイツブリ夫婦が平成最期、今年第一回目の子育てドラマを開始、五羽の雛が元気に育つ。

 薬師池公園のカイツブリ夫婦の子育ては、昨年のブログでも紹介しましたが、三月に入り今年は五羽の雛が早くも誕生したようです。薬師池公園には、今年の一月、ルリビタキを撮りに訪れて以来です。

 

 カイツブリの子育ては、東京の井の頭公園や上野恩賜公園が有名ですが、ここ薬師池公園でも多くの人が行き来する茶店に近い所で、大胆にも廃物のホースを利用して浮巣が作られています。他所の公園では何組かのカイツブリのカップルがいますが、この公園では一組だけの夫婦が独占状態で子育てを展開中です。

 

 管理人が訪ねた時、雛たちは大きな魚が飲み込めるくらいに大きく成長していました。ただ羽はこれからのようで、一羽の雛が羽ばたきを見せてくれましたが羽がないのでヒラヒラ舞っていました。お母さん親と見られるカイツブリが、雛を羽根の間に入れて温めているのですが、時折熱くなりすぎて巣から離れて水浴びを繰り返してしていました。

 

 この公園のカイツブリの夫婦は狩りがとっても上手です。潜ったなと見ていると次の時には獲物となる小魚を咥えていて、捕ると一直線に巣に戻って雛たちに給餌をします。親が戻ると五羽の雛たちは、我先に口を大きく開けて獲物をねだります。お父さん親も印をつけているとは思えませんが、巣の表側に来たり裏に回ったりして順番に餌を与えていました。また、獲物は、雛が飲み込めるよう魚の頭の部分から少し離して咥え、雛の前に突き出すようにして咥えさせます。

 

 給餌の様子を見ていましたが、雛たちは貪欲です。あの小さな口なのに自分よりも大きな魚をクチバシを上にあげて飲み込んでしまいます。それでも飲み込む前に何回か失敗して獲物を落としてしまい、離れて見ていたお父さん親がすかさず咥えて雛に咥え直させます。お父さん親は、雛が確実に飲み込めるのを確認しないと次の狩りに向かいません。せっかく捕った獲物を逃がしてしまうことになるので、食べることが分かるまで様子を見ているのです。この時、レンズ越しに見るお父さん親のカイツブリの目は慈愛に満ちて、子供たちを可愛がっていることが見て取れます。

 

 今年のカイツブリ夫婦の子育ては始まったばかりですが、公園に訪れた人たちにも是非楽しんで頂きたいものです。また、子育て上手なこのカップルは、これからも沢山の子供たちを育てていくことになるので暖かく見守って欲しいものです。

撮影場所;東京都町田市 薬師池公園

撮影日;2019.4.2