桜の花に蜜を吸うスズメ達の群れ。桜の樹の下は「花車」ならぬ「零れ(こぼれ)桜」が落下。

 染井吉野桜の開花は順調に進み満開を過ぎて散り出しているところもあります。昨日は、座架依橋の桜並木が満開となり、桜に付く昆虫を目当てにコムクドリが来るということで撮影に行ってきました。この桜並木は、堤防上にあり風が冷たいせいか他所よりも開花が遅れて今が満開となっています。

 

 桜が満開になると嬉しいのは野鳥達です。桜の蜜を求めてヒヨドリやムクドリがやって来て小さな枝にもぶら下がるように首だけ器用に伸ばし、反転しながら花弁よりも大きなクチバシを差し込み蜜を吸い取ります。ヒヨドリなどは黒いくちばしが花粉で黄色く染まり蜜を吸ったのは一目瞭然、嘘をついてもバレテしまいます。

 

 桜の花にはスズメもやってきます。スズメのクチバシはヒヨドリやメジロの様に尖っておらず短いため、蜜のある雌しべには届きません。そこで編み出したのが必殺「花柄千切りの技」。花を支える柄の部分を花柄(かへい)と言うそうですが、この部分をクチバシで千切り、花弁を離して雌しべだけを残すのです。Webを調べると、2010年4月10日付の朝日新聞でも蜜を吸うスズメで紹介されています(☆)。

 

 多くのスズメ達が花柄部分から千切り、端の部分を一定時間咥えていることや複数個所を繰り返し行っていることから、蜜を吸うことに加えて多少甘めの水分を補給する程度の行動でないかと思うのですが如何でしょうか。

 

 一部のブログに花の蜜を吸うのは死活問題との書き込みもありますが、近くには河原もあり水分の補給も出来ますので、単に手っ取り早く甘めの水分を口にすることが出来る、動物の嗅覚と知恵のような気がします。

 

 ニューナイスズメやスズメが桜の花びらを咥える様子を「花車」と名付けています。スズメ達の口から桜の花びらが車輪の様に舞い落ちるだろうと連想できる素晴らしい表現です。現実はともかく情緒溢れる考案者には拍手ですネ。

 

 スズメが花柄を咥えている様子は、花弁がおしゃぶりの様にも見え何とも可愛い仕草です。 

 

☆印)朝日新聞「蜜を吸うスズメ」2010.4.10付けを参照しました。

撮影場所;神奈川県座間市 座架依橋付近桜並木

撮影日;2019.4.9

スズメが咥えた部分は、花柄(かへい)の下側。雌しべだけを器用に咥えている。(左写真)

雌しべを離すと落下する。(右写真)