国鳥のキジ(雉子)、雌への求愛は羽の先から尾羽まで全身で振り絞って魅せる華麗な扇の舞。

 春の暖かさで野山の植物はたちまちのうちに新芽が若葉に変わって来ています。相模川の河原にはキジ(雉子)が沢山棲息していてこの時期になるとそちこちでキジの雄の鳴き声が聞こえてきます。

 

 キジは、1947年3月22日(昭和22年)に日本鳥学会が日本の固有種であることから国鳥として選定したそうです(☆)。また、キジは北海道と対馬を除いて留鳥として広く分布し、地方によって亜種化が進み、東北地方のキタキジ、四国のトワカイキジ、紀伊半島では局地的にいるシマキジ、最後に九州地方のキュウシュウキジの4亜種が自然分布しているとのことです(☆)。

 

 国鳥に選定されているキジですが、その選定の理由は雌の母性愛が強く雛を連れて歩く様子が家族の和を象徴しているからとのことです(☆)。言い伝えとして、卵を温めていた雌のキジが山火事に合って危険が迫っていた時でも逃げずに守ったそうですが、卵が孵り我が子となった雛への愛情は格別なものであることは間違いありません。

 

 狩猟を許可されているキジですが、昔から民話などにもなっており、その中には「キジも鳴かずは撃たれまい」などの「ことわざ」も残っています。私たち野鳥撮影のカメラマンにとっては鳴き声がすれば居場所が分かりますので、繁殖シーズンがキジ撮影のベストシーズンかも知れません。「キジも鳴かなきゃ撮られまい」、私たちカメラマンには鳴いて欲しい野鳥です。

 

 一瞬で終わる、キジのホロウチ、雄のキジが全身を振り絞り、雌への求愛を華麗な扇の舞で魅せてくれました。雛を連れ歩く雌のキジが目に浮かびます。

 

☆印;Web版ウィキペディアのキジの解説を参照しています。 

撮影場所;神奈川県座間市 座架依橋付近

撮影日;2019.4.13