夏鳥として繁殖のためにやって来た「コムクドリ(小椋鳥)」が、標高のある富士の麓でも営巣を展開。

 四月の初め、北日本に渡りの途中で座架依橋に立ち寄ったコムクドリですが、その実態はよく知られていないとのことでした。今回、ノビタキやコヨシキリ等の夏鳥を撮影に北富士演習場を訪ねましたが、偶然にも「コムクドリ(小椋鳥)」の営巣中であろう個所を発見しました。

 

 ウィキペディアのコムクドリの解説では、営巣は樹洞やキツツキ類の古巣を利用するとのことで、キツツキ類が多く巣を作る広葉樹林帯と思っておりましたが、標高のある富士山麓でも繁殖が行われているようです。産卵しているかどうかは分かりませんが、周辺を伺いながらペアでの出入りが繰り返されており、期待が持てそうです。

 

 昨年の7月中頃に同地を訪れているのですが、その時にはコムクドリの群れが幼鳥を連れて樹々を飛び回っていました。おそらく当地で生まれた雛だったのかも知れません。北富士演習場は、餌となる昆虫類も多く、人の出入りが制限されるため繁殖地として適した場所と言えるのでしょう。

 

 地元の桜並木にやって来たコムクドリは、動きも速く花や葉に隠れて姿形を見せてくれませんでしたが、今回は枯れ木に

乗ったコムクドリを撮影することが出来ました。コムクドリの羽根の色は、太陽光で反射した時、濃い藍色が特に美しく映え、雄は頬の部分から肩にかけて赤褐色で雌よりも綺麗です。

 

 高原の気候は、平地よりも温度が低く木陰に入れば涼しさを感じるほどですが、日差しを受ける限り暑さは同じです。今年は初夏だというのに30度を超える真夏日が続く毎日、野鳥達にとって子育ては大変ですが、めげずに頑張って欲しいと願っています。

撮影場所;山梨県南都留郡忍野村 北富士演習場

撮影日;2019.5.26