越冬先の東南アジアからやって来た「コヨシキリ(小葦切)」は、富士山麓の葦原で何組も営巣中。

 久々に富士山の裾野にある北富士演習場を訪ねました。北富士演習場は、陸上自衛隊の演習場になっており普段は立ち入り禁止になっていますが、山菜が採れ出す五月からは、特別な日を設けて普段の日も立ち入ることが可能です。それ以外では毎週日曜日だけ入ることが出来ます。

 

 この場所は、先輩カメラマンのK・Tさんから教えて頂きましたが、普段は人の立ち入りがないため野鳥達の絶好の楽園になっています。この時期は、留鳥のウグイスやカッコウ、アカゲラに混じり、夏鳥としてやって来たノビタキやホオアカそしてコヨシキリ達の繁殖の場所になっています。

 

 例年、野鳥の種類によってエリアが棲み分けされているのですが、今年は野焼きがされておらず枯れた葦がそのまま残っているせいか、そちこちでコヨシキリの囀りが目立ちます。

 

 同じヨシキリ科の仲間に体調が18.5センチメールと幾分大きなオオヨシキリがいますが、コヨシキリは14.5センチメートルと小柄で、鳴き声も少し似てはいますがオオヨシキリよりも控えめな鳴き方です。

 

 その分布は、夏季に中国北東部、日本、朝鮮半島で繁殖し、冬季はインド、インドネシア、シンガポール、タイ等東南アジアで越冬するとのことです。食性は動物食で昆虫類、節足動物などを食べ、名前の由来になっている葦を切り開いて中にいる昆虫を捕食したりするようです(☆)。

 

 枯れた葦が残る葦原では、そちこちでコヨシキリのペアが営巣・抱卵していると思われ、山菜採りで葦に分け入った人に向けて威嚇し、時々顔を出してくれました。

 

 演習場の道路は、もちろん舗装はされていないため車の通行で土埃が舞い上がります。日曜日でも場所によっては演習が行われており、ゴオッーと地響きがして土埃が舞ってくるので目を凝らしてみると、戦車が近付いて来たりします。注意が必要です。

 

注)☆印の文章は、Web版ウィキペディアの「コヨシキリ」の解説を参照しています。

撮影場所;山梨県南都留郡忍野村

撮影日;2019.5.26