今年生まれた三羽の「ハヤブサ(隼)」の雛は立派に育ち、両親から厳しい飛行の特訓。

 一年ぶりに江ノ島を訪ねました。江ノ島のハヤブサ(隼)は、毎年この時期になると二三羽の雛を孵していますが、今年も三羽の雛が元気に育っているようです。

 

 野鳥の観察前は、江ノ島にハヤブサのポイントがあるなんて思いもしませんでしたが、駐車場の先の東浜から干潮の時だけ岩場が開け、断崖の淵を進むことが出来るのです。ハヤブサのポイントは、浜に降りてから更に奥まで入らなければならず、容易に近づける場所ではありません。進む際には岩場が滑るので気を付ける必要があります。

 

 ハヤブサ(隼)のポイントは、干潮以外は海水で岩場が隠れるため人が近付くことはできず、周囲は断崖絶壁に阻まれ降りることはできません。正に自然の要塞に守られた場所なので、ハヤブサは一年を通して住み付き安心して子育てをしています。

 

 河川や湖沼、海岸に生息しているハヤブサですが、最近は生息環境を奪われ絶滅危惧種Ⅱ類に指定され、国内希少野生動物種にもなっています。動物食でスズメ、ハト、ムクドリ、ヒヨドリ等の鳥類を食べる猛禽類です。ハヤブサの名前の由来は、「速い翼」が転じたものと言われており、水平飛行は時速100Km、急降下時は時速390Kmにも達するスピードを出せるそうです。断崖の岩場に三四個の卵を産み雌だけで抱卵を行い、雄は餌の確保と分業しているようです(☆)。

 

 今年は一週間くらい遅かったこともあり、どれが子供か分からないくらい大きく育っていました。ただ自分から餌の確保はできないようで、鳴いて餌をせがんでいました。親鳥はこの餌で子供を上手にコントロールします。直ぐには餌を上げることはしなくなります。餌を見せてからわざと離れた場所に持っていき、歩かせたり飛ばせたりの工夫をします。

 

 今日は食べる前に厳しい飛行訓練がありました。飛行の訓練をしていて子供が疲れ、近場の樹木に止まろうとすると上から或いは下から蹴り上げるような仕草を見せ、幼鳥に飛行の継続を強要します。この行為は空中で飛んでいる間にも何回も確認できました。百獣の王のライオンが我が子を谷底に突き落として這い上がらせる訓練にも似ていますね。

 

注)☆印の文章は、Web版ウィキペディアのハヤブサの解説を参照及び引用いたしました。

撮影場所;神奈川県藤沢市江ノ島

撮影日;2019.5.30