葦原で葦の穂先に止まって囀る「オオヨシキリ(大葦切)」の鳴き声は、夏の風物詩

 今年も葦原には沢山の「オオヨシキリ(大葦切)」が夏鳥として日本に来てくれました。日本にやって来るオオヨシキリは亜種とのことですが、日本全国に飛来してくれるとのことです(☆)。富士山麓の葦原は亜高山帯のため、コヨシキリの繁殖エリアになっていますが、オオヨシキリの生態は同じ葦原でも平地に生息しているようです。

 

 今日は平塚市の葦原を訪ねて見ました。この葦原はオオヨシキリの繁殖地になっており、狭い葦原なのにそちらこちらで、葦の穂先の天辺によじ上り、口を開けられるだけ開け身体を振り絞りながら、雌に向けて求愛のための囀りが賑やかでした。ギョ、ギョ、シー、ギョ、ギョ、シーと聞こえ、鳴き声からは「行行子」とも呼ばれるそうです。

 

 オオヨシキリは繁殖のために日本にやって来る夏鳥ですが、冬季はアフリカ大陸中部以南、ユーラシア大陸南部等で越冬するとのことです(☆)。渡りのコースを考えれば、フィリピンやシンガポール、マレーシア、インドネシア等東南アジア諸国で越冬しているのかも知れません。

 

 食性は動物食で昆虫類や節足動物を食べ、葦を切り裂いて中の獲物を食べることもあるそうです(☆)。ただ夏季は、食べ物が豊富なので葦を切り裂いてまで獲物を探す必要はありませんけれども。

 

 オオヨシキリは一夫多妻で複数のメスによるハーレムを形成するそうです(☆)。葦原は、求愛の囀りを行っているオスを尻目に、じゃれあいながらカップルで飛び交うオオヨシキリ達も見かけ、もう暫くすると何組かは抱卵を始めるかも知れません。

 

 地味で目立たない小鳥ですが、求愛の囀りで大きく口を開けた時、燃えるような真っ赤な口が新緑の葦原でひときわ目立って見えるのが特徴です。

 

注)☆印は、Web版ウィキペディアのオオヨシキリの解説を参照・引用しております。

撮影場所;神奈川県平塚市

撮影日;2019.6.4