都会のチョウゲンボウ(長元坊)、雛への給餌と飛翔の姿

 先日ブログで紹介した都会のチョウゲンボウ(長元坊)は、既存の構築物を上手に利用して子育てをしていることを紹介しましたが、今回はその続きです。

 

 前回訪れた時、水道橋アーチの空気穴から顔を出した雛は二羽でしたが、実はこの雛以外にも既に巣立ちして幼鳥になっている子供がいました。前回は午後からの訪問でしたが、本日改めて朝から確認した所、子供と思われる幼鳥が水道橋を囲む設置物の先端に一羽、更に高圧線の鉄塔の先端にも一羽止まっているのをそれぞれ確認しました。二羽だけと思いましたが、ここのチョウゲンボウ夫婦は標準的な子供を産み育てているようです。

 

 都会と言っても周辺環境は水田や森が点在する里山の風景で、チョウゲンボウの食料は潤沢で子育てには恵まれた条件が整っていると言ってよいでしょう。四羽の子供たちへの餌の与え方は、まだ育ち切らない雛への給餌がメインのようで、巣立ちした幼鳥達には少なく、自から餌を捕ることを覚えさせる訓練に入ったのでしょうか。なお、ハヤブサのような飛翔の特訓は見られませんでした。

 

 チョウゲンボウの飛翔形態は何パターンかありますので、今回はそのうちのいくつかを紹介します。一つ目は、着地点を探すためのホバリング、これは採餌の時に目標物を見つけるときにも行います。二つ目は、目標を補足して速く飛ぶ時や急降下する時のポーズで、羽根を畳んで抵抗を少なくする姿勢を取ります。三っ目は、上昇気流に乗って舞い上がり目標物を探索する姿勢で、尾羽と翼を全開にして風に乗ります。四っ目は、通常の獲物などを運ぶ時の飛翔姿勢で、尾羽は閉じています。

 

 残った二羽の雛たちは、空気穴から飛び出して向かいの空気穴に入るプチ飛翔を繰り返しており、巣立ちはまもなくと思われます。四羽の雛たち、元気に大きく成長していくことを願っています。

撮影場所;神奈川県横浜市

撮影日;2019.6.16