見分けられるか、虫食いの仲間達。富士山五合目で「メボソムシクイ(目細虫食)」が水場に。センダイムシクイ(千代虫食)との違いは。

 野鳥を観察していると姿形が良く似ており、判別が難しい小鳥が沢山います。標題の虫食いの仲間達で、夏鳥として日本にやって来た、メボソムシクイ(目細虫食)とセンダイムシクイ(千代虫食)が良い例です。

 

 先輩写真家のS・Tさんから教えて貰うまで、メボソムシクイ(目細虫食)とセンダイムシクイ(千代虫食)を勘違いしておりました。場所によって呼び方が変わるのか、などと勝手に解釈をしておりましたが、実は全く別の種類と分かり浅学を恥じております。

 

 Webのウィキペディアや鳥ペディアで、改めてムシクイの仲間達の違いについて調べて見ました。鳥ペディアは、センダイムシクイ、メボソムシクイ、エゾムシクイそしてオオムシクイの4種の虫食い仲間達の違いを解説していますが、ここではセンダイムシクイとメボソムシクイに絞って違いを検証してみます。

 

 一番の違いは、鳴き声が違うということです。チヨ(千代)、チヨ(千代)、ビーと一際大きく囀るのは、センダイムシクイ(千代虫食)。対して、チョリチョリチョリとか細く囀るのがメボソムシクイ(目細虫食)です。

 

 次に大きく違う点は、生息エリアです。センダイムシクイは、平地から山地の落葉広葉樹林(標高の低い所)に生息していますが、メボソムシクイは、標高1500メートルから2500メートルのオオシラビやコメツガのある亜高山帯の針葉樹林やダケカンバ、ハイマツなどの高山帯に生息し、それぞれその地域で繁殖活動を行います。

 

 大きさはどちらも変わらず13センチメートルで、メボソムシクイの方がやや淡いウグイス色のようです。

 どちらのムシクイも冬季には、東南アジアの暖かい地域に渡って行きますが、センダイムシクイの越冬地域は、メボソムシクイのそれよりも広範囲で、インドネシアやインドまで伸びております。繁殖地域もメボソムシクイが日本だけなのに対し、中国やロシア南部そして朝鮮半島でも繁殖するとのことです(☆)。

 

注)☆印は、ウィキペディアのメボソムシクイとセンダイムシクイの解説を参照・一部引用しています。 

コメツガの枝に止まるメボソムシクイと水場に来たメボソムシクイ。撮影場所;山梨県富士山五合目 奥庭荘 撮影日:2019.6.26

広葉樹の枝に止まって囀る、センダイムシクイ。撮影場所;神奈川県相模原市 早戸川林道 撮影日;2018.4.11