準絶滅危惧種に指定を受けた、「アカモズ(赤百舌鳥)」が南信州の果樹園畑で密かに営巣。

 南信州の果樹園畑にアカモズ(赤百舌鳥)が見られるとのことで、先輩カメラマンのMさんと訪ねました。モズにも色々な種類のモズがいて、春先に東京都あきる野市の某所でコウゲンモズ(高原百舌鳥)を撮りましたが、アカモズ(赤百舌鳥)は初見です。

 

 アカモズは、日本へ夏鳥として東南アジアからやって来ますが、本種のアカモズは九州南部や南西諸島に、亜種のアカモズは北海道や本州東部にそれぞれやって来て繁殖を行うとのことです。亜種アカモズは、稀に沖縄県を越冬地にする個体もいるそうです(☆)。

 

 夏季に日本以外の繁殖地は、中国、ロシア東部、朝鮮半島で、冬季には、インド、インドネシア、東南アジアの各国に南下して越冬するようです(☆)。

 

 生態は、開けた森林や草原に生息し、食性は動物食で昆虫類、節足動物、両生類、爬虫類を捕食するとのこと(☆)。ブログを調べると朝霧高原でも見られたアカモズですが、最近は見られないとか。越冬先の環境破壊が要因ではないかなど諸説もありますが定かではないようです。

 

 渡り鳥のような野鳥を観察していると、双方の生育環境が整っていないと野鳥の個体数を維持することは難しくなることが良く分かります。一方の環境が良くても一方が悪いと途絶えてしまう訳です。そうした意味で野鳥の個体数は、環境管理のバロメーターになっているのかも知れません。アカモズの個体数は年々減少を続けており、準絶滅危惧種に指定されています(☆)。

 

 そうしたアカモズ(赤百舌鳥)ですが、南信州の果樹園では密かに営巣が行われ繁殖も成功しているようです。果樹園の昆虫類を食べてくれるアカモズ達、果樹園農家にとっては益鳥であり双方にメリットがあります。果物が大きくなる八月には越冬地に渡っていくアカモズですが、南信州の大地を繁殖地として絶滅指定の解除に繋がるよう願っています。

 

注)☆印は、Web版ウィキペディアのアカモズの解説を参照し一部引用しています。

撮影場所;長野県南信州

撮影日;2019.7.1