青葉が芽生える5月に夏鳥としてやって来たアオバズク(青葉木菟)は、今年もタブの木の樹洞の中で雛が誕生。家族写真はもうすぐ。

 アオバズク(青葉木菟)は、フクロウの中でも最も身近な存在で、神社やお寺などにある古木の樹洞などを利用して繁殖するため、私たちが目にすることが多く馴染みのある野鳥です。営巣する古木は代々受け継がれ、個体は変わっても毎年訪れてくれるようです。

 

 管理人が訪ねた神社のアオバズクもその例で、推定樹齢が分からないタブの古木に今年もやってきて、無事雛を孵したようです。名前の由来のとおり、若葉が青葉に変わる五月頃に夏鳥としてやって来たアオバズク、管理人は何回か訪ねているのですが、七月に入るまで探し出せませんでした。おそらくペアが成立して営巣場所を確定するまでは、周辺の木々で生息しているのかも知れません。

 

 日本でアオバズクは、奄美大島以南の南西諸島で亜種のリュウキュウアオバズクが留鳥になっていますが、九州以北では夏鳥として亜種アオバズクが飛来するとのことです(☆)。生態は、留鳥になる個体と渡りを行う個体の二通りがあるようです。前者の分布は主にインド、スリランカを含む東南アジア地域で、夏季に渡りとしてくる国は、日本を始めとして、中国、朝鮮半島、ウスリーで繁殖し、冬季には東南アジアに南下して越冬するとのことです(☆)。

 

 食性は、昆虫、両生類、爬虫類、小型鳥類、小型哺乳動物などで、昼間は樹の枝に止まって休み、夜間に行動します。鳴き声は、ホッ、ホッと二回ずつ規則正しく鳴きます。今回初めて鳴いている時に立ち会うことが出来ました(掲示写真二枚目)。喉元を膨らませて押しつぶすようにして低く鳴き声を発します。

 

 アオバズクの抱卵期間は一か月、六月の初め頃には卵を抱いていたと思われます。私たちの前には顔を見せてくれませんでしたが、雛が孵りようやく夫婦そろって顔を見せてくれました。もう暫くすると子供たちと一緒の家族写真が期待できそうです。元気に大きく育って欲しいものです。

 

 神社やお寺の古木は安定しているように見えても台風などの被害で伐採を余儀なくされている箇所もあり、更に越冬先では開発が進んで生息場所が無くなるなど、アオバズクの個体数は年々減少しているとのことです(☆)。

 繁殖場所と生息場所の減少、渡りの野鳥の宿命ですが、自然環境の変化は止むを得ないとしても、私たちが引き起こす自然破壊で生息場所を狭めることだけは何とか最小限に食い止めたいものです。

 

注)☆印は、Webウィキペディアのアオバズクの解説を参照・一部引用しています。

最初の三枚まで、雄。最後は、雌。腹面の縦縞が太いのが雄とのこと。区別は難しい?雌は翼が長いとのこと。

撮影場所;神奈川県平塚市

撮影日時;2019.7.20