三浦半島の西海岸に今年も渡り途中のチュウシャクシギ(中杓鴫)やキアシシギ(黄足鴫)、そしてキョウジョシギ(京女鴫)が群れになって移動。

 うだるような暑さが毎日続いています。この時期、目新しい野鳥情報も枯渇しているため、久し振りに海鳥を確認するために横須賀市の長井漁港周辺を訪ねました。

 

 潮位を調べないまま来たので満潮でないことを祈るばかりでしたが、幸いに岩場が見え更に潮が引いて行く状況でラッキーでした。岩場を見ていると白いものがチラチラ動く気配があり、双眼鏡を覗くとキアシシギの四羽の群れが採餌しており、その横には、長いクチバシが下向きに反ったチュウシャクシギが二羽見えます。更に黒と白の岩肌のようなキョウジョシギが一羽見えます。いずれも岩肌と同じような色をしており、肉眼では判別することは難しそうです。

 

 チュウシャクシギやキョウジョシギの生態と分布は、概ねユーラシア大陸や北アメリカの寒帯から亜寒帯の地域で繁殖し、冬季はアフリカ、中東、インド、オーストラリア、中央アメリカ、南アメリカに渡り越冬するとのことです(☆)。なお、キアシシギは、シベリア北東部、カムチャツカ半島などで繁殖し、冬季は東南アジア、ニューギニア、オーストラリアに渡り越冬するとか(☆)。日本には、旅鳥として春と秋の渡りの時期に群れで渡来するとのことです(☆)。

 ここ三浦半島の西海岸の岩場には、三種類の渡り途中の鳥達が群れになって逗留しています。

 

 三種類の旅鳥達は、危機管理でお互いが助け合っているように見え、危険を察知した鳥が甲高くピューイと鳴き声を出すと採餌を途中で止め一斉に飛び立ってしまいます。キアシシギは、主に岩場に生息する虫などを採餌していますが、チャウシャクシギは、長く反ったクチバシを上手に使って、水の残る岩場でも小さな穴の中にいるカニなどの甲殻類を取り出して食べていました。

 

 三浦半島の海岸で三種類の渡り途中のシギ達を確認しましたが、平塚の休耕田や湖沼にやってくるのはもう少しです。

 

注)☆印は、Web版、ウィキペディアのチュウシャクシギ、キアシシギ、キョウジョシギの解説を参照・引用しています。

 

撮影場所;神奈川県横須賀市

撮影日;2019.8.9