エゴノキの実は超熟れ頃、果肉が削がれ殻の中の種子は、「ヤマガラ(山雀)」の大好物。堅い殻を両足に挟んで、鋭く突つき中身を食べて大満足。

 前回のブログで「ヤマガラ(山雀)」は、食べ物が少なくなる冬に備え、エゴの実を大きな木の根元などに貯蔵する、特殊な行動についてお伝えしましたが、今回は果肉が削がれエゴサポニンの無くなった殻付きの種子を、エゴノキの梢で食べる様子を撮影しました。

 

 ヤマガラは、留鳥でどこでも見かけることができますが、いざ撮影するとなるとその動きが変則的で速く、なかなか手強い相手です。エゴノキの枝に止まったヤマガラは、辺りを警戒するように見回していてなかなか採餌行動をとりません。時折、地鳴きとは違った綺麗な声で囀りますが、これは仲間に居場所と餌場のあることを知らせているように思われます。

 

 暫らく辺りを警戒して安全を確認し終わると、次はエゴの実が沢山ついている場所に移動し、果肉が削がれ殻付きの種子だけが剥き出しとなった物をターゲットに、器用に首を伸ばしクチバシに咥えて安定性の良い枝に移ります。この行動は一瞬なので注意して見ていないと見逃してしまうかも知れません。

 

 ここからは二つの選択肢を取ります。一つは自分のテリトリーに持ち帰って貯蔵する、もう一つはその場で食べるです。持ち帰りでは、消費税8%、その場で飲食は10%の違いのようなものです。件のヤマガラは、期待していたとおりその場で飲食を始めました。頭を大きく振り上げハンマーの様にしてクチバシで突いて割り、中身を食べ始めました。

 

 秋の野鳥の風物詩ともなっている、ヤマガラのエゴの実の採餌ですが、殻付きの種子を両足に挟み食べる様子は何とも微笑ましく一度は撮影してみたい光景です。昨年は時期を逸してしまいましたが、今年は何とか間に合うことができました。

撮影場所;神奈川県綾瀬市 蟹ヶ谷公園

撮影日;2019.10.6