相模川の河原には、百舌鳥の高鳴きが聞こえてきて一層秋の気配が。

 相模川の河原に、今年も渡り途中のノビタキが入ったとの情報を頂き訪ねて見ました。辺り一面黄金色の田圃は収穫が終わり、稲の切り株だけとなっていました。干し藁の馬などは僅かしか見当たりません。目的のノビタキ(野鶲)は、個体数が減少しているとのことです。この日確認できたのは二羽だけでした。

 

 ノビタキを追って河原の土手を歩いていると突然甲高い鳴き声に驚かされます。「ーギィーギィー キチキチキチ」とモズ(百舌鳥)の高鳴きです。良く見かけるモズですが、改めて分布を調べて見ると日本や中国東部から南部、朝鮮半島、そしてロシア東部にしか見られない。日本では、亜種が留鳥となり、北部にいる個体や山地に生息する個体が秋季に南下して越冬するとのことです(☆)。私たちには見慣れているモズ(百舌鳥)も、ヨーロッパやアメリカなどに住む野鳥写真家達には珍しく見えるかもしれません。

 

 モズは、秋から冬にかけては単独行動をしており、高鳴きは縄張りを宣言する合図で縄張りに仲間が入ってくると威嚇して追い払いにかかります。この時期、モズ同士が追いかけっこをしているのを良く見かけますが、実は侵入者を撃退していた訳です。

 

 モズの和名の由来は、百の舌の鳥と書きますが、モズは様々な鳥、百の鳴き声を真似ることができ、複雑な囀りを行うことから、「百舌鳥」と名付けられたそうです。この日、土手を歩いていると敵と見なされたのか、モズが飛び回り、木の天辺に止まっては時折、ギッギッギッと高鳴きを繰り返していました。モズの高鳴きは天候を表すと言い、これから75日後には霜が降りるとか。冬に近づくと、昆虫などを枝に刺す、「早贄」などが見れそうです。

 

注)  ☆印は、Webウィキペディアの「モス」の解説を参照し、一部引用しています。

百舌鳥の高鳴き(メス)

撮影場所;神奈川県相模原市緑区葉山島

撮影日;2019.10.10