潮が引いて剥き出しになった岩場で一羽の「コサギ(小鷺)」が黙々と採餌を。

 白鷺は、私たちの身近なところで見ることができ、大空に陽の光を受け白く輝いて優雅に飛ぶ様子は、古来から詩や和歌にも謳われ親しまれてきました。野鳥の観察を始める前は、シラサギと一括りで見てきましたが、内情が分かってくると色んな種類に分類されるのが分かってきます。

 

 白鷺は、大中小の大きさで分類でき、名前にも表されるように、ダイサギ(大鷺)、チュウサギ(中鷺)、コサギ(小鷺)の順に分けることができます。大きさは三種類が並んでいれば苦労しませんが、一羽だけで判断するときにはなかなか難しいものがあります。特にダイサギとチュウサギの区別が難しいのです。

 

 また、特にややこしさを増長させているのが、夏と冬でクチバシや目元の色が変わったり、夏場は飾り羽があったり、冬場は無かったりと変化する点です。三者の特徴を表にして比較して見ました(☆)。

 

             クチバシ の色              目元の色、黒目の大きさ

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              夏場            冬場                ----------------------

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ダイサギ    黒色(足基部僅黄色)    黄色(飾り羽なし)                目元は黄色、黒目小さい  

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チュウサギ   黒色(目元が緑色)          黄色(飾り羽なし)    目元は黄色、黒目やや大

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コサギ     黒色(二本の冠羽)           黒色(冠羽なし)                    目元は黄色、黒目大きい

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 クロサギ到来の時期でもあり、久し振りに長井漁港を訪ねました。この時期は朝方九時頃に干潮があり、岩場が出てきて取り残された小魚を狙って水鳥が集まってきます。相変わらず、ウミウやカモメ、ウミネコ、トビが多く周辺を飛び回っておりましたが、一羽だけコサギが混じって採餌をしていました。河口などでは良く見かけるコサギですが、海岸の岩場では初めてです。残念ながら目的のクロサギは見ることができませんでした。

 

注)  ☆印は、2018.6.26、鳥ペディアの「ダイサギ、チュウサギ、コサギの見分け方」を参照・引用しております。

撮影場所;神奈川県横須賀市 長井漁港

撮影日;2019.10.16