海岸近くに棲息する「トビ(鳶)」は、上昇気流に乗ってクルリと輪を描くことなく、潮の引いた岩場に獲物を目掛けて一直線。

 野鳥の撮影を始めると小鳥の次に挑戦したいのが鷹や鷲などの猛禽類です。ツミやノスリ、ハヤブサなど身近にいる猛禽は何時でも撮れますが、大型の猛禽類は個体数が少なく撮影機会が限られ、しかもかなり高い上空からでも獲物を探知する並外れた視力は人を寄せ付けず警戒心が強いために極めて撮影難度の高い野鳥と言えます。

 

 猛禽に憧れる大きな理由の一つには撮影の難しさでしたが、次に挙げられるのが、やはり姿・形の美しさと言えるでしょう。獲物をしとめる鈎型のクチバシと鋭い目に私たち人間には持ち合わせていない魅力を感じます。優雅に上空を飛んでいても、獲物を見つけると一転、急降下して獲物に迫っていく姿に興奮を覚えるような気がします。

 

 久し振りに訪ねた横須賀の海岸でトビ(鳶)の採餌を目にしました。トビは、鷹の仲間ですが立派な猛禽類です。トビはクマタカやオオワシなどと違って個体数も多く人にはフレンドリーなので撮影対象としては持って来いです。この地域のトビは海岸に近いため、新鮮な魚がいつでも食べることができ、棲息には恵まれた環境です。この日も干潮で潮が引き、岩場に取り残された小魚やエビやカニを見つけると一直線に羽ばたいて獲物をゲットしていました。

 

 カラスなどは、餌を見つけると集団になって群がることがありますが、トビはそのような様子はありません。何羽かのトビを確認していますが、岩場で狩りをしていたのは一羽だけでした。

撮影場所;神奈川県横須賀市 長井漁港

撮影日;201910.16