境川遊水地公園に、珍鳥の「ハジロクロハラアジサシ(羽白黒腹鰺刺)」が立ち寄り中。広い遊水池を独占して旋回を繰り返し、小魚を探知すると一直線に捕獲。

 鳥仲間の先輩のMさんから、境川遊水地公園の今田遊水池に珍鳥のハジロクロハラアジサシ(羽白黒腹鰺刺)が到着しているとの情報を頂きました。余りにも長い名前に何度か聞き返しましたが、アジサシ(鰺刺)の仲間で日本では滅多にお目にかかれない珍鳥とのことでした。

 

 境川遊水地公園は、台風19号の大雨の影響が残っており、グラウンドは冠水状態で併設された駐車場も使用できない状態でした。ただ本来の遊水地としての機能は果たしていることにはなりますが。利用者も少なく、センターの駐車場は空いていて、こちらに駐車してから現場に向かいました。

 

 ハジロクロハラアジサシは、チドリ目カモメ科に属していて、遊水池を旋回する様子はカモメが飛翔しているように見えました。ウィキペディアの解説を引用すると、その分布は、ヨーロッパ南東部から中央アジアにかけてと中国東北部で繁殖し、冬季はアフリカ、東南アジア、ニューギニア、オーストラリアに渡り越冬するとのこと。日本には旅鳥として8月から10月の渡りの時期によく観察されるが飛来数は少ないとのことです。

 

 ネットなどでも観察記録が載っていますが、境川遊水地にやって来ている「ハジロクロハラアジサシ(羽白黒腹鰺刺)」は、Mさんが言うようにかなり珍しい野鳥のようです。実物を見て、羽根の白いのは分かりましたが、黒い腹ではないぞと思い調べると冬羽は頭から腹にかけて白くなるのだそうです(☆)。

 

 同じ仲間のコアジサシ(小鰺刺)などは、水面の上空でホバリングをしながら魚影を探知し、見つけると真っ逆さまに一直線にダイブして捕食しますが、この個体は水面をクチバシですくうようにして捕食するとのことです(☆)。

 観察したハジロクロハラアジサシは、遊水池の上空を旋回するだけと思っていましたが、良く観察すると時折、池の水面に向かってクチバシを差し込む様子を確認しており、実はこの時、小魚をゲットしていたことが後から分かりました。

 

 通常の野鳥の捕食行動は、採餌に成功すると持ち帰って別の場所で味わいながら食べるパターンですが、この個体は小魚を捕らえてから食べるまで旋回しながら空中で行っています。旋回を続けているので獲物を確保できなかったのか、と思うのは誤りで、撮影した写真を確認するとしっかり確保しています。餌を短時間に効率よく確保する一つの知恵なのかも知れません。他の方のブログを拝見すると若鳥ではないかとのこと。沢山食べて栄養を付け越冬地に旅立ってほしいものです。

 

注)  ☆印は、Web版ウィキペディアの「ハジロクロハラアジサシ」の解説を参照し、一部引用しています。

撮影場所;神奈川県横浜市下飯田 境川遊水地公園 今田遊水池

撮影日;

2019.10.19