今年も忘れずに平塚の田圃に来てくれた冬鳥の「タゲリ(田鳧)」たち。来年の春先まで元気に過ごして欲しい!!

 早くも平塚の田圃に冬鳥の「タゲリ(田鳧)」が、今年も忘れずに大集団で来てくれました。今月の初めころタゲリが入ったとの情報を鳥仲間のAさんから頂いておりましたが、遅ればせながら昨日確認をしてきました。

 

 数えてみると十五羽以上が一団で行動しており、警戒心が強いとの評判を裏切ってカメラマンを怖がる様子はなく、むしろ近づいてくる個体も見られる程ですっかりカメラ慣れをしているように見えました。推測ですが、この集団は今年の春頃まで越冬していたタゲリたちではないかと思われます。カメラマンが自分たちに悪さをしないことを既に学習しているのです。

 

 タゲリは、ユーラシア大陸の中緯度地域で繁殖し、冬季はアフリカ大陸北部やユーラシア大陸の南部等に越冬するそうです。日本には冬季に越冬のため本州に飛来し、過去には足環から、モンゴルから石川県加賀市まで飛来している事例もあるそうで、中部地方や関東地方北部では繁殖事例もあるとのことです(☆)。

 

 タゲリはその佇まいから田園の貴婦人と呼ばれるように、頭の上に黒く長めにスラット伸びた冠羽を被り、暗緑色のスエード様のマントを羽織り長い足を交差させる姿は、貴婦人そのものです。管理人は、最初にこの野鳥を観察した時、本当に美しい鳥だなと思いました。ただ、良く見ると、土中を漁るためにクチバシが汚れており、これだけが残念です。

 

 タゲリは、本県を含む東京都や三重県で、レッドリストのⅡ類に指定しており、茅ケ崎市の西久保では越冬地となる田圃の環境保全を推進する他、「湘南タゲリ米」などのブランド米を販売してタゲリの保護に当たっているそうです。

 野鳥が生息できる環境は、私たち人間が求める環境でもあり、地道ではありますが日本全国にこうした保護活動の輪が広がることを望んでいます。

 

 来年の3月頃まで約半年間を平塚の田園地帯で過ごすタゲリたち、これから一段と寒さが増し食べ物が取りづらくなってきますが、一羽も欠けることなく元気に過ごして欲しいと願っています。

 

注)  ☆印は、Web版ウィキペディアのタゲリの解説を参照し、引用しています。

撮影場所;神奈川県平塚市北豊田 田圃

撮影日;2019.11.11