お隣アメリカから、市川市の公園に冬のお客さん「アメリカヒドリ(亜米利加緋鳥)」 !! 他の緋鳥鴨に混じって意気軒昂。年が明ける頃は大変身の予感 ?

 これまで冬鳥のヒドリガモを見ても興奮をしませんでしたが、同じ仲間でもアメリカ生まれのヒドリガモとなると話は別物です。日本には冬鳥として遠いアメリカから海を越えてやって来ますが、それぞれの場所で数羽程度、数が少なく滅多にお目にかかることは出来ません。そんなアメリカヒドリが、市川市の都市公園で他のヒドリガモに混じって泳いでいます。

 

 昔、市川市の北部には沼が沢山あり、じゅん菜が多く自生していたそうです。近隣農家ではじゅん菜を摘んで生業にしていた時期もありましたが都市化が進んで枯渇してしまい、地元から復元の要望を受けて昭和54年(1979年)、現在の地にじゅん菜池緑地として整備したそうです(注1)。

 

 池は、川の流れを堰止めたような長方形をしており結構広く、池に沿って周回道があり台地に溜まった湧水が現在も注ぎ込まれています。ヒドリガモの他、オナガガモやキンクロハジロがそれぞれ群れになっており、ホシハジロが雌雄で三羽、単独ではカンムリカイツブリとスズガモの雌が一羽、ハシビロガモはカップルで一羽ずつが確認できました。

 

 アメリカヒドリは、北アメリカ中部から繁殖し、冬季には北アメリカ南部から中央アメリカ、西インド諸島に渡り越冬する。なお、シベリアでも繁殖事例があり、日本には数少ない冬鳥として各地に一羽から数羽がやって来て、ヒドリガモに混じって過ごしているとのことです(注2)

 

 正確に数えていませんが、ヒドリガモは30羽はいるでしょうか。この中にまだ成鳥にはなっていない、一羽のアメリカヒドリのエクリプスが混じっていました。良く見れば、頭の色がやや黒く違うなと判別できますが、遠くにいて近寄って来なければ恐らく見逃してしまうような色彩です。

 

 管理人は、ヒドリガモの集団からアメリカヒドリを探し当てられず撤収しようとしていました。それを思い止まらせてくれたのが近辺に住んでいるという金髪の女性カメラマンと鳥仲間でした。出口近くで二人はヒドリガモの集団に向けて小気味よい連続シャッタ音を響かせていたのです。レンズの先は・・・。良く見ると赤い頭のヒドリガモではなく明らかに黒に近い色をした頭のヒドリガモです。慌ててシャッターを切り、落ち着いたところで、予習していたアメリカヒドリとは違うようだと告げるとアメリカヒドリのエクリプスだと教えて頂きました。

 

 鳥仲間の話では、あと一月もすれば目の後ろ側に緑色の斑紋がでてきて綺麗な色になると教えて頂きました。近辺の池を渡り歩かなければ、変身した姿のアメリカヒドリを見ることができそうで楽しみです。

 

注1;市川市ホームページよりじゅん菜池公園の概要を参照しています。注2;Webウィキペディアのアメリカヒドリの解説を参照、一部引用しています。

撮影場所;千葉県市川市 J公園

撮影日;2019.11.24