横浜市の小さな公園に、今年も珍しい、「ニシオジロビタキ(西尾白鶲)」が渡来中。縄張り内をジッジッと鳴きながら、案内標識の上を転々と。

 「ニシオジロビタキ(西尾白鶲)」は、オジロビタキ(尾白鶲)の亜種で、その繁殖地域はユーラシア大陸の西部で、地域の「西」が和名の由来となっており、冬季には東南アジア方面に渡って越冬する野鳥とのことです。日本には途中立ち寄りの旅鳥で、稀に冬鳥として越冬する鳥もいるとか(☆)。

 

 どこでも見られる野鳥ではなく、希少な鳥の部類に入り撮影できるチャンスはなかなかありません。そんな珍しい「ニシオジロビタキ(西尾白鶲)」ですが、昨年は横浜市の舞岡公園に二羽も来てくれ、今年も横浜市の保土ヶ谷区にある小さな公園に顔を見せてくれています。

 

 ところで、「ニシオジロビタキ(西尾白鶲)」は、オジロビタキ(尾白鶲)の亜種と紹介しましたが、両者はよく似ていてその違いが良く分からない所です。公益財団法人、日本野鳥の会が主宰する「BIRD FAN」においても明確な区分けはされておらず検討中の扱いです。

 

 管理人がニシオジロビタキを最初に撮影したのは、2016年の12月で府中市の武蔵野公園でした。ここで見た個体は、胸の色が鮮やかな橙色をしており、先輩の野鳥撮影家からは「ニシオジロビタキ」と教えて頂き、学名でもある"Red Breasted Flycacher" が赤い胸のヒタキと訳せることもあり、胸が橙色の個体はニシオジロビタキと勝手に解釈しておりました。これは大きな誤りで、単に雌雄の違いだけで本質的な違いは別にあることを改めて知りました。

 

 他のブロガーの方が野鳥図鑑を元にその違いを調べておられ、今回、その結果を参考に紹介したいと思います。

<オジロビタキ>

①クチバシの付け根を除いて黒味がかなり強い。

②尾が黒い、腰の灰色部分とのコントラストが強い。

<ニシオジロビタキ>

①クチバシの付け根から下クチバシの1/3ほどがバフ色味がかり、下クチバシは橙色若しくは淡褐色。

②尾の色は、周りの色と変わらない。

 

 以上のような内容でした。その違いを指摘され過去の写真を見返していますが、角度によって見え方が異なり、黒いクチバシだからオシロビタキか、否、暗褐色なのでニシオジロビタキではないかと迷いは深まるばかりです。一つ確かなのは、オジロビタキは人に慣れることは少なく撮影は難しいとのことです。先輩の野鳥撮影家からは、この公園の個体を「ニシオジロビタキ」と聞いており、クチバシの色やフレンドリーなことを合わせて、ニシオジロビタキで間違いなさそうです。

 

 ニシオジロビタキ、色は薄い鶯色で地味ですが仕草が可愛く、愛嬌のある目と時々尻尾を上げ下げするお尻の動きには癒されます。餌の捕獲は、同じヒタキ仲間のキビタキやノビタキは、英名の"Flycacher"どおり樹上で行いますが、地上に降りても採餌を繰り返しており、動きは早いものの比較的撮影しやすい野鳥です。

 

注)☆印は、ウェブ版ウェキペディアの解説を参照しました。

撮影場所;神奈川県横浜市保土ヶ谷区

撮影日;2020.1.26