静岡県は掛川市の某所に渡り先を間違えたか?一羽の「アカツクシガモ(赤筑紫鴨)」が飛来。近くの水田と貯水池を行き来して越冬中。

 昨年の12月、ナベヅルやマナヅルを撮影に鹿児島県の出水市を訪ね、その時初めてツクシガモと出会うことができました。アカツクシガモ(赤筑紫鴨)は、関連するブログを調べる中で初めて知ることが出来ました。九州では冬鳥として一般的な野鳥と勝手に思っていましたが、良く調べると日本には数羽しか入らない冬鳥ということです。

 

 管理人が住む関東地方でも、過去、毎年ではありませんが茨城や千葉方面に単独でやって来ており、沢山の野鳥撮影家がブログで紹介しています。出会ってみたい綺麗な野鳥ですが、最近は渡来している情報がありませんでした。そんな折、管理人が良く見ているブログサイト(地元有志による野鳥専門投稿サイト☆)に、アカツクシガモが掲載されており、関連ブログを検索していくと静岡県は掛川市某所の貯水池で越冬中であることが分かりました。

 

 貯水池と紹介されていたので土手の上から見れればと思っていましたが、土手周辺には木道が整備されて周回用の散策用通路になっています。池を覗くとマガモやコガモが池のふちに集まって休んでおり、人の気配を感じて一斉に逃げ出しました。他のカモよりも一回り大きく、橙色のアカツクシガモはすぐ分かりました。

 

 「アカツクシガモ(赤筑紫鴨)」は、ユーラシア大陸の中部で繁殖し、冬季にはアフリカ大陸北部、ユーラシア大陸南部・北部、中国、朝鮮半島などへ南下して越冬する。日本には稀に越冬のため数羽が飛来することがあるとのことです(☆☆)。管理人が訪ねた時、静岡県を代表する地元紙の朝刊にこのアカツクシガモが取り上げられ、折しも日曜日とあって沢山の野鳥愛好家たちが来るかも知れないと危惧しましたが、予想に反してカメラマンは4から5人と静かな雰囲気でした。

 

 アカツクシガモは、河川や湖沼そして干潟に生息し、8から12個の卵を産むとのこと(☆☆)。一般のカモと同じような子育てが行われるようです。他の野鳥もそうですが、繁殖地域が人の開発で破壊され領域が狭められており、それと併せてマガモなどと比べると臆病で大胆さに乏しいため繁殖が難しくなっているのかも知れません。ウィキペディアの解説でも情報が少なく、環境省のレッドリストで絶滅危惧種の指定を受けていますが情報は不足しているようです(☆☆)。

 

 池の中でアカツクシガモは、コガモやマガモなどと一緒に泳いでいますが、人が近づくとすぐに察して岸から離れ容易に近づいてはきません。名前はアカツクシガモ(赤筑紫鴨)と赤いツクシガモですが、赤というよりも橙色に近い赤褐色です。オスとメスの違いは、首のところに黒い首輪状の斑紋があるのがオスということで、この個体はメスのようです。左の足を失っており、着水や泳ぐ時には、尾羽を調整してバランスを取っているようでした。ブログに掲載されている写真から判断すると既に到着時には喪失していたようです。

 

 アカツクシガモの越冬地は掛川市からかなり外れており、交通手段も限られているため多くの野鳥写真家が訪ねるとは考えられません。訪ねる場合には、地元の方に迷惑を掛けないよう是非とも注意が必要です。木道は地元住民の散歩コースでもあり、三脚の使用は控えたいところです。

 

注)   ☆印は、ブログ「風のむろさん・野鳥の掲示板」からアカツクシガモ及びアカツクシガモの関係ブログを参照。☆☆印は、Webウィキペディアのアカツクシガモを参照し、一部引用しています。 

撮影場所;静岡県掛川市

撮影日;2020.1.09