2年ぶりに冬鳥としてやって来た「ヒレンジャク(緋連雀)」。少ない水がめ(洞・うろ)の飲み水を巡って仲間同士で激しい攻防。

 2月のこの時期、野鳥カメラマンなら誰しも「ヒレンジャク(緋連雀)」の渡来を期待して、今この辺りにいるからもう直ぐかとか、宿り木の果実の熟れ頃はどうかとかそわそわ気にする方が多いのではないでしょうか。管理人もその類で昨年から心待ちにしており、今年は嬉しいことにそちこちから渡来の情報が確認されています。

 

 管理人が野鳥の観察と撮影に興味を持った時、ヒレンジャクは残念ながら数が少なく近場にはやって来ませんでした。鳥仲間から以前に撮影した写真を見せて頂き、歌舞伎役者のような目元のヒレンジャクを益々撮影したい意欲に駆られ、翌年の2017年には、ブログに埼玉県秋ヶ瀬公園に一羽入っているとの投稿記事を見て、わざわざ秋ヶ瀬公園に赴いたことを思い返します。翌年の2018年は当たり年で、宿り木のあるスポットには殆どの場所に渡来してくれ、やっと念願の目標をクリアすることが出来ました。

 

 レンジャクの英名は、Waxwing・ワックスウイングというそうです。蝋の翼という意味で、キレンジャクの翼にある赤い突起が蝋のように見えることから付いた名前とのことです。ヒレンジャクにはありません。漢名は、十二紅と呼ぶそうで、先端の赤い尾羽の数が12枚あることからとのことです。改めて尾羽を広げた枚数を数えると12枚ありました。先人にも目の良い方がいたのですね。日本では、古く平安時代から知られており、群れになって行動していて、連なるように枝に止まる様子から「連雀」と名付けられたようです(☆)。

 

 ヒレンジャクは、シベリア東部、中国北東部のアムール川やウスリー川流域で繁殖し、日本やサハリン、朝鮮半島、中国南部、台湾などで越冬するとのことです。繁殖地では森林の減少や環境悪化があり、絶滅も危惧されているとのこと、年によって飛来数は不規則で、東日本ではキレンジャクが多く、西日本ではヒレンジャクの飛来数が多いとのことです(☆)

 

 ヒレンジャクの食性は、非繁殖期では果実類を好み、ネズミモチ、イボタノキ、ニシキギ、ヤドリギ、ノイバラ、ヤツデなどの果実を食べ、繁殖期は昆虫類を食べるようです(☆)

 

 今年のヒレンジャクの渡来数は多いようです。各地で確認情報が寄せられており、宿り木があるような神社や公園など身近な場所で撮影が期待できそうです。群れで行動しているので来るまで待たなくてはなりませんが、宿り木などに付く果実を食べる時や食べ終わった後などには近くの枝に留まってくれ、シャッターチャンスがあります。

 

 ヒレンジャクは、宿り木の実を食べた後水を飲むのですが、手近な洞・うろに溜まっている水などを飲みます。掲載の写真は、に溜まっている水が少なくなり仲間同士で水の争奪戦が行われている、その一コマです。ピンが甘いけど尾羽は?

 

☆印は、Webウィキペディアのヒレンジャクの解説を参照し一部引用しています。

撮影場所;神奈川県秦野市

撮影日;2020.2.12

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コメント: 2
  • #1

    佐藤みどり (日曜日, 16 2月 2020 10:32)

    良い写真がたくさん撮れましたね。思わず尾羽の数を数えてしまいました。

  • #2

    鳥の宴管理人 (日曜日, 16 2月 2020 12:21)

    コメントを頂きありがとうございます。数少ないコメントなので感激です。これからもよろしくお願いします。