久し振りに訪れた浦安市の日の出三番瀬、越冬していたスズガモの大群は殆どが繁殖地に帰還。残っているスズガモ達は活動エリアが広がり、大好きなホンビノス貝を捕食してご満悦。

 昨年は大きな台風が関東地方を相次ぎ襲い、各地で川の氾濫や暴風そして竜巻による大きな被害が発生しました。野鳥の世界でもこの台風による被害をもろに受けたようです。しかし、東京湾に渡来したスズガモ達は別、好物の貝類が例年よりも少ないことに気づくや急遽近郊に分散避難の行動を取ったのです。 

 

 例年、日の出三番瀬には湾を埋め尽くすほどの「スズガモ(鈴鴨)」が渡来して、冬の風物詩となっています。しかし、昨年は相次ぐ台風の影響を受け、湾の中は土砂などが堆積して貝類が埋まるなどの被害が出たそうです。貝類は、スズガモの一番の食料。越冬中の食糧が十分でないと知るや日の出三番瀬の鳥たちは近隣に緊急避難をした訳です。

 

 スズガモは、アメリカ大陸北部、ユーラシア大陸北部の寒い地域で繁殖し、冬季はヨーロッパ北部、カスピ海、中国東部、北アメリカ西部、東部に渡って越冬するとのことです。日本には冬鳥として亜種スズガモが東京湾などの海岸に渡来しており、海鴨の中では最も渡来数が多いとのことです(☆)。

 

 今年1月に訪ねた時には、最近貝類が顔を出し始め近隣に疎開していたスズガモたちが徐々に戻っていると地元のカメラマンから教えて頂きました。スズガモは、オスが46センチ、メスは小さく43センチ、翼開長は74センチから80センチメートルです(☆)。オスは黒い頭で緑の光沢があり、陽の光で緑色に見えます。メスは全体に褐色で、キンクロハジロのメスによく似ています。冠羽の無い方がスズガモになります。

 

  スズガモは、潜水しながら好物の貝類を採り、貝殻付きで呑み込んでも消化してしまう強力な砂嚢を持っているということです潜水能力が高く一分近く潜ることができ、アサリやハマグリなどの貝類を採餌します(☆)。日の出三番瀬では、北アメリカが原産とされるホンビノス貝が定着しており、訪ねた時、スズガモ達は大きな貝を美味しそうに頬張って満足そうでした。名前の由来は、飛ぶときの羽の音が鈴の音に似ていることからとのこと(☆)。

 

 湾を埋め尽くすほどのスズガモ達でしたが、徐々に繁殖地に戻り子作りが開始されます。残されたスズガモ達も活動エリアが広がり伸び伸びとしていました。美味しい貝を沢山食べて栄養を付け、今年の10月頃に再び子供を連れて元気に戻って欲しいと願っています。 

 

注)    ☆印は、Webウィキペディアのスズガモの解説を参照し、一部引用させていただきました。

撮影場所;千葉県浦安市 日の出三番瀬

撮影日;2020.3.24