連日の暖かさで桜の花は一気に開花。咲いている花の間を縫って可愛い「エナガ(柄長)」が動き回り、小虫を捕獲。

 世の中は新型コロナウィルスの話で持ち切りで、高齢者の多い撮り鳥の世界は、人一倍感染を恐れて自重しているような気がします。が、神妙に振舞っている反面、可愛い小鳥が目の前に現れれば話は別、ファインダーに写る小鳥の動きを逃すまいと必死になってしまうのは管理人だけでしょうか。

 

 暖かい日が続き、桜の花は一気に開花、すっかり見頃を迎えています。そんな桜の花びらの間を縫うように可愛いエナガが動き回る姿を見ると、勝手にシャッターを押してしまいます。可愛らしい、愛嬌のある仕草を見せる「エナガ(柄長)」、野鳥撮影を始める登竜門の気がします。

 

 体長は14センチメートルとのことですが、尾羽が含まれており半分くらいの7~8センチメートルと考えた方が良さそうです。撮影には、AFスピードの速い機材を使わないと追いかけきれません。最初の間は撮れただけで満足していますが、慣れてくると可愛らしい野鳥の魅力に嵌ってしまいます。

 

 エナガは、ユーラシア大陸の中緯度地方を中心に、ヨーロッパから中央アジア、日本まで広く分布し、日本では九州以北で留鳥または漂鳥として生息するとのことです(☆)。エナガという名前は、漢字で表すと良く理解できます。柄の長い柄杓に例えたことに由来し、江戸時代には柄長柄杓・エナガヒシャクや尾長柄杓・オナガヒシャクなどとも呼ばれていたようです(☆)。

 

 平地から山地にかけて林に生息しており、山地の奥にいた個体は冬季、越冬のため低地の里山に降りてきます。群れで行動することが多く、繁殖期は群れの中で番となり小さな縄張りを持ちます。非繁殖期でも小さな群れを作りシジュウカラやヤマガラなどと混編成の群れを成し、エナガは群れの先導役となります(☆)。群れで行動する時の鳴き方は、「チーチー」「ジュリリ」と鳴き声を出して動いてきますので直ぐ分かります。鳴き声が聞こえたらスタンバイです。

 

 群れで行動している時は動きが速いので、惑わされないようターゲットを一羽だけに絞って追跡すると良いかも知れません。エナガは、樹の枝先などについている小さな昆虫類を捕食しながら移動しており、選んでいるとあっという間にいなくなり、後の祭りになります。

 

 エナガは世界で7種類がいるとのことです(☆)。その種類は、日本の本州で見かけるエナガの他に、コウライシマエナガ(ヨーロッパやシベリア、韓国、日本※)やキュウシュウエナガ(四国及び九州)、チョウセンエナガ(韓国中部と南部)、ズアカエナガ(ヒマラヤからベトナム)、ギンガオエナガ(中国北東部)、ジャワエナガ(インドネシア)などがおり、地域によって少しずつ色合いや姿が異なります(☆)。管理人は、タンチョウ撮影で北海道を訪ねた際、「シマエナガ※」を撮影したいと思いましたが見つけられませんでした。姿形は本州のエナガと変わりはありませんが、頭と顔が真っ白で黒い小さな嘴と真ん丸の目が可愛いのです。何時の日か、雪の残る北海道の林で、シマエナガを撮影したいと思っています。

 

注)     ☆印は、Webウィキペディアのエナガの解説から一部引用しています。

撮影場所;神奈川県大和市

撮影日;2020.3.26