町田市薬師池公園の「カイツブリ(鳰)」夫婦は子育て上手。今年は早くも最初の雛を孵して、子育てに奮闘中。

 町田市の薬師池公園にいるカイツブリ夫婦は、とても子育てが上手です。昨年は春から秋まで5回の子育てをしたと聞いています。二か月単位で子育てをしている計算で、ギネスに載せてもおかしくない記録です。薬師池公園は春爛漫で、池のほとりの桜の花は満開となり、一部は花吹雪となって池面に散り始めています。

 

 今年は暖冬のため、雛が孵るのが早かったようです。昨年管理人が訪れたのは4月に入ってからで、一週間くらい早まっているようです。昨年は五羽の雛が誕生しましたが、今年は三羽だけでした。カラスの餌食になってしまったのでしょうか。以前のブログでも紹介しましたが、営巣する場所は大胆にも廃物のホースを利用して浮巣を作り、それも見通しの良い池の中央に作っているのです。都会の水鳥は大胆不敵、とは言え余りにも無防備過ぎると心配になります。カラスなどの天敵にも目標が丸見えで危険この上ない状況なのです。

 

 余談ですが公園によっては、自然環境を重視し野鳥の繁殖中は立ち入りを制限するなどの措置を取る公園もあります。もちろん、不必要なストレスを与えないように注意はしなければなりませんが、都会の野鳥は人との共存を第一に考えても良いような気がします。管理人が観察してきた中では、人工の鉄管を利用して雛を孵したチョウゲンボウや雨戸の中で雛を孵した椋鳥、瓦屋根の隙間を利用して雛を孵すスズメなど枚挙にいといません。

 

 薬師池公園を訪れ、カイツブリの子育てを見た方はこぞって可愛いと声を上げていました。カイツブリ親子は、来園者の癒しのアイドルになっているのです。今回も管理人が訪ねた時、雛たちは大きな魚が飲み込めるくらいに大きく成長していました。ただ体温が直ぐ下がるので餌を食べ終わると直ぐ親鳥の羽の中に潜ってしまいます。これから日中の温度が高くなると周辺での遊泳が期待できます。小さな雛を負んぶして泳ぐ姿も見られそうですネ。

 

 ウィキペディアの解説からカイツブリを調べて見ました。先ず漢字でカイツブリを「鳰」と表記するのですが、この漢字は水に入る鳥を意味する和製の漢字ということです。カイツブリの「カイ」は、たちまちの意味で「ツブリ」は、潜る時の音が転じたとの説が有力とのこと(☆)。いにしえの奈良時代から愛されてきた水鳥のようです。カイツブリは、アフリカ大陸、ユーラシア大陸の中緯度以南、イギリス、インドネシア、ソロモン諸島、日本、パプアニューギニア、フィリピン、マダガスカルに生息し、日本では本州中部以南では留鳥として周年生息、北海道や本州北部では夏季に夏鳥として飛来・繁殖し、冬季には南下して越冬するということです(☆)。

 

 この公園のカイツブリ夫婦は狩り上手。潜ったと見るや顔を出した時には小魚を咥えており、捕ると一直線に巣に戻って雛たちに給餌をします。親が戻ると三羽の雛たちは、我先に口を大きく開けて獲物をねだりますが、親鳥は大きく口を開けた雛鳥に餌を与えます。獲物は、雛が飲み込めるよう魚の頭の部分から少し離して咥え、雛の前に突き出すようにして咥えさせます。

 

 給餌の様子を見ていると、雛たちは貪欲で小さな口を大きく開け、自分よりも大きな魚をクチバシを上に突き上げて飲み込んでいきます。レンズ越しに見たカイツブリの親子、夫婦が二人三脚、全身全霊で子育てをする姿を見ていると、微笑ましくもあり、遠い昔に自分もこんな親に愛情を受けて育ったのかと感慨ひとしおでした。自分一人では大きくなれませんからネ。

 

注)   ☆印は、Webウィキペディアのカイツブリの解説から一部引用しています。

撮影場所;東京都町田市 薬師池公園

撮影日2020.3.27