満開の桜が咲きそろう座架依橋周辺の緑道下は、キジ(雉子)の雄たちが高らかに「ケーン」と鳴いて縄張り主張!! 彼女にも魅せたい華麗な扇の舞(ほろ打ち)。

 この時期の天気は三寒四温、寒い日が続くと思えば夏のように暑くなったり、温度差が大きくて体温調節が大変です。今日は先日に続いて座架依橋を訪ねて見ました。周辺は相模川の堤防沿いに桜並木があり、桜は満開になり見ごろを迎えています。堤防の天端は道路になっていて、桜並木沿いには散歩ができる程度の側道があります。

 

 この地域は、相模川の中州で砂利の採掘が認められており、先ほどの堤防天端の道路は砂利を運ぶ大型ダンプが往来しており、お花見をする人は誰もいません。実は、この桜並木に、例年渡り途中のコムクドリ(小椋鳥)の立ち寄りがあり、桜の季節は多くのカメラマンで賑わいます。今日も数名のカメラマンが顔を見せていました。

 

 野鳥を撮影していると単に野鳥だけを撮影するのではなく、花や植物とのコラボを求めるようになり、更に発展すると野鳥の仕草までも高い次元のアクションを求めるようになります。野鳥写真家の要求は贅沢で止まることがないのです。今回は、偶然に菜の花のそばで佇むキジの雄を見つけ、待っているうち「ケーン」と鳴いて縄張りを主張することと雌への求愛アクションを兼ねた「母衣(ホロ)打ち」のシーンを撮影することが出来ました。

 

 数ある野鳥の中でもキジは、日本鳥学会が国鳥に指定しており、多くの自治体で市町村のシンボルに採用されています。キジの世界的な分布は、ユーラシア大陸の広域に分布するのがコウライキジで、日本のキジはその亜種とされているそうです。キジの学名はVersiColorで、「色変わり」を意味するそうです(☆)。キジの首や胸の色が太陽光の当たり方で変化しますがそれを指しているのでしょうか。和名のキジの由来は、日本の古語では「キギス」と呼ばれ、雉子に通じます(☆)。

 

 キジは、日本では北海道と対馬を除いて、本州、四国、九州に留鳥として分布し、山地から平地の林、農耕地、河川敷など明るい草地に生息しています(☆)。4月に入りキジは繁殖期に入っていますが、オスは赤い肉腫が肥大化して赤みが増します。この時期、オスは赤いものに対して攻撃となり、「ケーン」と鳴いて縄張りを主張し、他のオスが自分の縄張り内に侵入してくると追いかけて行って排除します。

 

 両翼を拡げて胴体を打ち付ける「母衣(ホロ)打ち」シーンは、数秒の出来事です。演技をする前に必ず一鳴きがありますので、察知したらシャッターを連射しておくと良いと思います。また、ホロ打ちは動きがありませんので、手持ち撮影よりも三脚を立ててシャッターを切る様にすれば失敗することはありません。

 

注)  ☆印は、Webウィキペディアのキジの解説を参照し、一部引用しています。 

撮影場所;神奈川県座間市 座架依橋付近

撮影日;2020.4.2