満開の桜が散りだす座架依橋の桜並木に、越冬地の東南アジアから早くも夏鳥のコムクドリ(小椋鳥)が途中立ち寄り中。

 満開になり綺麗に花を咲かせた桜並木ですが、新型コロナウィルスの外出自粛は徹底されているようです。堤防天端の側道は、僅かに散歩の人が往来するだけで花見に来る人は全く見かけません。それでも季節に応じて野鳥の世界は動いており、例年どおり、夏鳥の「コムクドリ(小椋鳥)」が、ここ座架依橋に立ち寄りをしています。

 

 フィリピンやボルネオ島北部などで越冬(☆)していたコムクドリ(小椋鳥)ですが、早くも夏鳥として座間市の座架依橋付近に途中立ち寄りをしてくれました。人間であれば新型肺炎予防のため入国拒否あるいはPCR検査や二週間の経過観察の要請を受けるべき所ですが、座架依橋のコムクドリは、入国審査を経ないで不法に上陸して来た野鳥です。

 

 かく言う管理人を含めた今回参加の野鳥撮影家たちは不要不急の外出を無視しており問題があるのかも知れません。ただ現状は要望の状態だなどと自戒をする反面、コムクドリ(小椋鳥)を追いかけているとすっかり夢中になり失念してしまいます。落ち着いて周りの状況を見渡すと近接しないよう距離を取るなど、三つの密にならないよう皆さんそれぞれ注意をはらっているようでした。

 

 コムクドリの生態は、日本の他、千島列島、サハリン南部で繁殖し、冬季はフィリピンやボルネオ島北部などに渡り越冬し、日本には夏鳥として北海道や本州北部に来て繁殖するとのこと。南方への渡りの時期は、子供たちを連れ立って群れも大きくなり、本州中部以南の地域でも途中の立ち寄りを見られるようです(☆)。

 

 座架依橋周辺の堤防には桜並木が植栽され、その他の樹木も大きく育っています。コムクドリは、桜に付いている毛虫や昆虫を目当てに来るのですが、樹木の一つに垂れ下がる様に実が沢山付いた「アベマキ」の木があり、コムクドリは、実に付いている小さな青虫を狙って動いているようでした。近くに桜があり桜とコムクドリのコラボを期待するのですが、餌が少ないようですぐ離れてしまいます。

 

 コムクドリは、体長が19センチメートルでスズメよりも大きく、オスは頭部から喉にかけてクリーム色をしており、頬に茶色の斑があります。この茶色の斑は、メスにはありません。背中から肩羽・翼は黒色で下部は淡いクリーム色をしています。背中や翼の黒色は、太陽の光の加減で金属的な色を放ち、緑や紫に変化する綺麗な色を見せてくれます。採餌は、葉や果実の奥を動きますので、表に出た時に撮影すると綺麗な色のコムクドリが期待できます。

 

 昨年管理人は富士山の麓で、コムクドリの営巣現場を初めて確認できました。アカゲラかアオゲラの作った古巣を有効に再利用しており、他には樹の洞なども使って営巣するとのことです(☆)。平地から山地の明るい開けた林に生息するとのことで、渡りは群れで行動しますが、繁殖期はつがいで行動するとのことです(☆)。富士山の麓でも夏が終わり頃になると、コムクドリが群れになって動いているのを良く見かけます。

 

※座架依橋周辺の側道は、砂利採掘の大型ダンプが頻繁に往来します。撮影に当たってはマナーを守り、声を掛け合って交通には十分注意しましょう。

 

注)   ☆印は、Webウィキペディアのコムクドリの解説を参照し、一部引用しています。 

撮影場所;神奈川県座間市 座架依橋付近    上段;コムクドリのオス 下段;コムクドリのメス

撮影日;2020.4.6

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コメント: 5
  • #1

    jyuube (木曜日, 09 4月 2020 09:21)

    今が旬の小椋鳥、飛翔のシーンと桜小椋、木止まりの雄雌お見事です。しばらく楽しめそうですね。

  • #2

    鳥の宴管理人 (金曜日, 10 4月 2020 20:29)

    jyuube 様
    コメントありがとうございます。
    世間の風潮は不要不急の外出自粛モード、鳥撮りは厳しい掟を破っているようで後ろめたさが残ります。
    それでもjyuube様がコメントして頂いたように、旬の野鳥の記録は大切であり、野鳥を愛する立場から研究観察を続けなければと使命感を持って撮影に臨んでおります(半分嘘です)。
    この時期、好きな鳥撮りを控えている方が大半。管理人も控え目に自重するよう心掛けます。 鳥の宴管理人

  • #3

    juube (月曜日, 13 4月 2020 16:58)

    今晩は!暫く投稿していなっかたので自分のハンドルネーム間違いてしまいました。失礼を致しました。外出自粛モード、鳥撮り屋として、3つの蜜の掟を守りつつ短時間で済ませたいものですがね…。

  • #4

    佐藤みどり (日曜日, 19 4月 2020 22:24)

    こんばんはご無沙汰してます。小椋鳥はまだ見た事がありませんでしたがかわいいものですね。飛んでいるところも桜と一緒のところも素晴らしいです。レンジャクの嵐が過ぎて今は私はカワセミを追いかけています。鳥の撮影は珍しいものでない限りあまり密集することがなく、ひたすら鳥を見ているので特に会話がはずむわけでもなく屋外ですし、高齢者にとっては散歩と並んでとても良い気分転換ではないでしょうか。先日埼玉のほうに桜カワセミを撮りたくて行った時、池の上に桟橋のように自分の椅子を置いて釣りをしている人を何人か見かけました。なるほどこれはいいアイディアだと思いました。
    この状況がいつまで続くか分からないのであまりあれもこれもダメダメとしないで、体と気持ちの健康のために、みなさんそれぞれ3っつの密を避けて工夫をして、いられるようです。とかく高齢者は家にこもって運動しないと高齢化が加速するそうです。お互い気をつけたいです。ではまた。

  • #5

    鳥の宴管理人 (日曜日, 10 5月 2020 10:32)

    佐藤みどり 様
    コメント頂きありがとうございます。返信が遅れて言い訳になりますが、管理しているJIMDOからは先月の4月19日みどりさんから頂いているのに私の所には5月9日にコメント到着の報せです。申し訳ありませんでした。今年は、久し振りの連雀出現で飽きない位に毎日出かけましたね、来年、来るとは約束できませんので頑張りました。ここまでは順調に行っていたのですが、COVID-19、最悪ですね。私的には、国が当初示していた終息日を5月7日としていましたので、これを区切りに鳥撮りの行動を再開して行きたいと考えています。勿論、3密を避けてですが。早速、一昨日長井漁港周辺に海鳥を昨日は、宮ケ瀬の奥、早戸川林道に行って来ました。林道は、多くのマイカーで溢れ返って大変でした。久し振りの森の中は、沢山の夏鳥の囀りに癒されましたが、野鳥の撮影は木の葉が育ちすぎ葉の裏に隠れて難しい状況でした。時期を逃すと駄目ですね。これから何時まで続くのか分からないコロナウィルスですが、鳥撮りはめげないでお互いに頑張りましょう。