新緑の季節を迎えた恩多川付近の小さな公園に、「ツミ(雀鷹)」の仲良しカップルが誕生、早くも営巣の準備のため巣材を運搬する姿も。

 春を迎えた野鳥の世界では、徐々に冬鳥から夏鳥へとバトンタッチが行われており、周年生息し留鳥になっている野鳥は、早くも営巣の準備が始まっています。恩多川に近い小さな公園では、仲の良い「ツミ(雀鷹)」のカップルが誕生しており訪ねて見ました。

 

 ツミは、日本では最小の猛禽で、メスの方がオスよりも大きく、オスはヒヨドリ大の大きさで27センチメートル、メスは30センチメートルでキジバトくらいの大きさになります。ただ猛禽の特徴として、翼を広げた時には50~60センチメートルと倍の大きさになります。ツミの漢字表記は、「雀鷹」と書き、雀は「小さい」の意味で、和名のツミは、スズメタカが変化し、メスに対しての呼称に由来するとのことです(☆)。ちなみに鷹狩などでは、オスをエッサイと呼んで区別しているとのことです(☆)。野鳥の名前には、漢字の表記や姿の部位あるいは色などから付けられることが多く、理解できますが、「ツミ」という野鳥だけ、スズメタカからどうしてツミという名に変化するのか良く分かりません。

 

 オスとメスの違いは、体長の小さい方がオスでしたが、その他の区別の仕方としては、目の色が赤く、胸周りの色が赤味架かった方がオスになります。ツミの世界的な分布としては、東南アジアの各国に広く分布しており、夏季には中国東部や日本、朝鮮半島で繁殖し、冬季は中国南部や東南アジアに南下して越冬するとのことです(☆)。日本では、基亜種が温暖な地域で周年生息して留鳥になり、寒冷地では冬季に南下してくるとのことです(☆)。

 

 ツミは、平地から山地の森林に生息し、針葉樹の樹上に木を組み合わせた巣を作るとのことです(☆)。ただ最近では、都会の公園など針葉樹や桜の樹上などに営巣し、子育てしているのを良く見かけます。問題は、都会の場合カラスが多いため夫婦が連携して雛を守らないとカラスの餌食になる可能性が高いようです。

 

 ツミの仲良しカップル、見ているとオスが巣材を運んでいるのを確認できました。もう少し暖かくなると営巣も本格化し、来月末には雛の誕生が見れるかも知れません。邪魔にならないよう優しく見守っていきたいですね。

 

注)   ☆印は、Webウィキペディアのツミの解説を参照し、一部引用しています。 

撮影場所;東京都町田市

撮影日;2020.4.14