横須賀市長井の海岸に途中立ち寄りの「キョウジョシギ(京女鷸)」が干潮の岩場で好物のカニを採餌。

 五月を迎えて山や海はすっかり夏鳥に入れ替わり、訪れた横須賀市長井の海岸でも南半球で越冬していたシギチ類が、繁殖地へ渡る途中の立ち寄りで次々と到着していました。午前8時過ぎ頃から潮が引き始め、砂浜や岩場が顔を出してきて暫くするとチュウシャクシギが降り立ち、続いて、7から8羽の「キョウジョシギ(京女鷸)」群れが降り立ちました。

 

 キョウジョシギは、チドリ目シギ科に分類され、背中のまだら模様を京女性の着物に例え名前が付けられています(☆)。到着しているキョウジョシギの衣は繁殖期の夏羽で、背中側は茶色と黒のまだら模様で頭は白くなっています。冬羽は、頭と背中が茶色で鱗のような模様になっており少し地味な感じです。2年前の11月、同じ場所で秋に立ち寄った冬羽のキョウジョシギを撮影していましたので参考までに掲載します。

 

 キョウジョシギの形態は、ユーラシア大陸北部、北アメリカ北部のツンドラで繁殖し、冬季は南アジア、南アメリカ、アフリカ、オーストラリアに渡り越冬するとのことです(☆)。日本には旅鳥として春と秋の渡り時期に群れになって多数飛来が確認されています(☆)

 

 キョウジョシギの体長は24センチメートルでクチバシと足が短くずんぐりしており、チドリのような外形をしています。そのため、以前はチドリに分類されている時期もあったそうです。貝殻をひっくり返してカニなどを捕食するため、英名は、Ruddy Turnstoneと付けられています(☆)。貝殻ではなくて石ですけれども。

 

 長いクチバシを砂の間に入れて餌を捕るチュウシャクシギの傍で、キョウジョシギは石をひっくり返して餌を捕っていました。夏羽のキョウジョシギは、白い頭に黒いラインが入り茶色の背中が鮮やかで美しく、朝日に映えひと際綺麗な色彩を見せてくれました。

 

注)  ☆印は、Web版ウィキペディアのキョウジョシギの解説を参照し、一部引用しています。

撮影場所;神奈川県横須賀市長井 長井漁港周辺

撮影日;2020.5.7 (夏羽)           4枚目(下段右側)の飛翔する写真は、冬羽。2017.11.16撮影