近所の公園は新緑に覆われ、木々の間から、ギュイーギュイギュイと汚い声の鳴き交わし。声の方向には頭が黒くて尾が長い「オナガ(尾長)」が枝の上に。

 新型コロナの外出自粛で、鳥撮りは散歩もかね近所の公園に日参しています。冬の間は枯れ木になっていた木々も新芽から若葉になり、その若葉もすっかり大きくなってきています。この公園は丘の傾斜地の下方にあり、中心の調整池には雨水や湧水が流入して年中枯れることはありません。引地川にも近く、時々カワセミもやってきて楽しむことができます。

 

 新緑に覆われた木々の間から、突然大きな、ギュイーギュイギュイと汚い声で鳴き交わす声が聞こえてきます。声の方向を探していくと、頭が黒くて背中が薄青、そして尾羽が長い鳥が枝の上で鳴いているのが見えます。鳴き声では想像できない綺麗な野鳥、「オナガ(尾長)」です。

 

 オナガは、管理人が住んでいる大和市とお隣の瀬谷区の市鳥・区鳥に指定されています。今回は、オナガに付いて考えて見ました。ウィキペディアの解説を紹介しますと、オナガは、スズメ目カラス科オナガ属に分類されるとのこと。世界の分布としては、ユーラシア大陸の東西両端の2つに分かれて分布し、分布の一方はロシア東部、中国東部、日本など東アジアともう一方はスペインやポルトガルを含むイベリア半島の一部に分布しているとのことです(☆)。ヨーロッパでは見ることの出来ない鳥なんですね。

 

 オナガは留鳥として生息し、日本での分布は、1970年頃まで本州全土及び九州の一部で観察されていたそうです。それが1980年代以降、西日本では確認されなくなったということです(☆)。その原因ははっきりしませんが、現在は本州の福井県以東、神奈川県以北で観察されるのみとなったということです。なお東日本では繁殖の増加傾向にあると言うことです。

 

  名前のオナガは、尾が長いことに由来します。尾羽は、20~23センチメートルもあり、飛翔する姿は優雅です。平地から低山地にかけ比較的明るい森林や竹林に群れで生息しています。全長は、34~39センチメートルで、黒色に見える頭の部分は濃紺で喉元から後頭部と背の境界部が白色、胸と腹は灰色、背は濃い灰色で目立つ色をしています(☆)。大きい体長の割に常に動き回り、なかなか一箇所に落ち着いて止まってくれません。

 

 オナガの繁殖場所には、よく猛禽のツミが近くで営巣していることが多いようです。初めてツミの営巣場所を撮影に行ったとき、ツミの営巣場所近くにオナガの幼鳥が飛び回り餌食になるのではと心配になりました。ですが、普通はオナガの幼鳥を襲うことはありません。しかし時と場合で、以前管理人は、余程小鳥がいなかったのかツミがオナガの幼鳥を餌食にしたことがありました。この時は大変な騒ぎになりました。襲ったツミに向ってオナガの仲間が代わる代わる、波状攻撃を仕掛けているのを見たことがあります。オナガは、群れで繁殖していますので、大きなカラスにも雛を守るため捨て身で対峙します。雛を守ろうとする親は強く、しかも群れで攻撃されると大きなカラスでも退散せざるを得ません。同時期に繁殖しているツミでも卵や雛の間はカラスに襲われることがあり、カラスにも立ち向かって行くオナガ達には助けてもらうことが多いのです。敵が侵入すると仲間内でギャーギャー鳴いて警報を出すので、ツミもいち早く雛を守る行動がとれる訳で、良く分かっているのです。共存共栄、お互いに助け合って雛を守っているのですね。

  

 観察したオナガは、巣作りのための小枝を集めているようでした。枯れた小枝の上に乗り、器用に羽をばたつかせながら小枝を折り、クチバシに咥えて運んでいるのが確認できました。どうも近くで営巣しているようです。6月中旬には雛と一緒に水場に顔を出してくれることでしょう。

 

注)     ☆印は、Webウィキペディアのオナガの解説から参照し、一部引用しています。

撮影場所;神奈川県大和市 児童公園

撮影日;2020.5.13