新緑が濃くなったこの時期、都市公園の池に「カルガモ(軽鴨)」の雛が無事誕生。雛達の兄弟姉妹は13羽、お母さん鴨は深い愛情で雛達を優しく見守り。

 五月も中旬過ぎになると、都市公園の池から四月の初めにカップルになったカイツブリやカルガモなどの雛が誕生したという報せが良く届いてきます。今、各地の都市公園は、コロナウィルスの感染防止を避けるためか、駐車場をロックしている所が多いようです。日頃の外出自粛を気分転換するためには公園の散策が一番良いのですが、残念な措置です。

 

 この公園は、六月頃から沢山の品種の菖蒲が咲きそろい、来園者を楽しませてくれます。また、菖蒲が終わると初夏から秋の初め頃まで鮮やかなピンク色をした古代ハスの花が次々と咲いて楽しむことが出来ます。13羽のカルガモの雛は、今月14日、古代ハスのある中州で誕生したとのことです。今日で4日目になりますが、一羽も欠けていないと地元のCMから教えてもらいました。周囲にはカラスや野良猫が狙っており、一羽も欠けていないのは奇跡と言って良いでしょう。

 

 カルガモについて、ウィキペディアで調べて見ました。その分布は、中国、日本、アムール地方、朝鮮半島のみとのことです。私たちには見慣れていて何とも感じませんが、いない所の人からは珍しく思われるかも知れません。日本では本州以南では周年生息、留鳥になっているとのこと(☆)。ウィキペディアでは本州以南とのことでしたが、管理人が訪ねる公園には冬でも見かけており、留鳥のエリアが拡大しているのではないでしょうか。なお、カルガモは渡りは行わないものの北部の個体群は冬季に南下して越冬するとのことです。

 

 カルガモは、全長が51.5~64.5センチメートルで、雄は雌よりも大きい(☆)。河川や湖沼、湿地、干潟、水田などに生息し、食性は植物食で植物の葉や種子などを食べるようです。繁殖期はつがいで行動しますが、雌だけで抱卵と育雛を行います。その間、雄は雄だけの群れを作るそうです。草木や枯草などを組み合わせて直径22~30センチメートルの皿状の巣を作り、10~14個の卵を産むとのこと(☆)。今回、誕生した雛は産んだ卵が全て孵った計算になります。大したカルガモのメス親です。

 

 池の上流は神奈川県の浄水場の池と通じており、常に水が流入していて適当な藻が生えています。カルガモの親子たちは、中州から離れて藻の生えている上流までやってきて食事をしていました。メス親も時々は雛達に目を向けますが、お腹が空いているらしく夢中でクチバシを水の中に入れていました。カルガモの雛達は生まれてすぐに、歩くことも泳ぐこともそして餌を摂ることも出来ます。他の野鳥だと餌をもらい飛び立つまで親から面倒を見てもらうのに、カルガモの親は外敵から守るだけで良いのですから、大変な違いです。

 

 13羽の雛達は、もう暫くすると生まれた場所から近くの川まで移動し、新天地での生活が始まります。母親鴨との生活はあと少し、母親は独り立ちが出来ることを確認して突き放し、親子の関係を断つそうです。何時までもパラサイトを許す人間社会とは比べ物にならない厳しさがありますね。

 

注)  ☆印は、Webウィキベディアのカルガモの解説を参照し、一部引用しています。

撮影場所;神奈川県綾瀬市 都市公園

撮影日;2020.5.18