緊急事態宣言の県外移動自粛の解除を待って、ほぼ二か月遅れながら高原の夏鳥撮影に柳沢峠まで遠征。

 六月も終わりに近づき、待ちに待った緊急事態宣言の県外移動自粛の解除を受けて、今日は鳥撮り先輩のTさんと柳沢峠の林道を訪ねました。彼の地はコマドリのメッカで4月から5月の初めにかけては、多くの野鳥カメラマンで賑わう人気のスポットですが、今年は状況が全く違うようです。

 

 森の中は夏鳥たちが美しく囀る鳴き声で溢れ返りますが、木立の若葉は濃くなって葉が大きくなり、囀る方向を見ても小鳥の場所を特定するのに困難を極めます。時機を逸するとはこういうことかと、改めて野鳥撮影の難しさを思い知らされました。それでも粘って、夏鳥の代表であるキビタキ(黄鶲)を撮影することが出来ました。キビタキはその鳴き声も美しいのですが、繁殖シーズン中のオスは、恋の相手に精一杯良く見せるために、特に一番輝いて見えるようです。

 

 野鳥の殆どはメスよりもオスの方が美しいのですが、特に撮影していて感じることは、メスへの求愛で示すラブソングを囀るときほど、姿・形がひときわ美しく輝いて見えるときはないかも知れません。 

 名前のとおり黄色と黒の美しいキビタキですが、夏鳥としてどこからやって来るのか調べると、越冬先のフィリピンやボルネオ島などの東南アジアから渡ってきて、夏季は日本列島の全土と近隣、そしてサハリンや中国の一部地域で繁殖が行われているとのことです(☆)。

 

 食性は、昆虫類や節足動物を食べ、地上での採餌の他、枝の上から空中捕獲もします。管理人は以前、囀りながら近くに寄って来た蜂を器用に空中で捕獲している状況を観察したことがあります。高原で撮影したキビタキは、濃くなった葉陰の裏側に回り、良く来てくれたと言わんばかりに大きな口を開けて美しい音色で囀っていました。

 

☆印は、Web版ウィキペディアのキビタキの解説を参照し、一部引用させて頂きました。 

撮影場所;山梨県甲州市塩山 柳沢峠林道 

撮影日;2020.6.24