絶滅危惧種Ⅱ類の指定を受ける「セイタカシギ(背高鷸)」。木更津市の蓮池では、今年も地元蓮池農家の手厚い保護を受け、繁殖地として定着か?

 木更津市は、川崎浮島からアクアラインを利用すると30分くらいで到着することが出来ます。木更津市の蓮池では環境省が絶滅危惧種Ⅱ類に指定する「セイタカシギ(背高鷸)」の繁殖が毎年確認され、東京湾の新たな繁殖地として定着しそうです。繁殖には地元蓮池農家の協力は不可欠ですが、必要に応じて地元自治体のバックアップも望まれるところです。

 

 「セイタカシギ(背高鷸)」の和名は、文字通り脚が長く背の高いことに由来します。その分布は、ヨーロッパ、アフリカ、アジア南部を中心に広く分布しており、日本では旅鳥または留鳥になっています。かっては迷鳥として稀に記録される程度であったとか、1975年、愛知県の干拓地で初めて国内での繁殖が確認されたそうです。1978年以降は、東京湾、伊勢湾、三河湾周辺で繁殖が確認され留鳥として定住するようになったようです()

 

 体長は、約37センチメートル、翼開長は約70センチメートル、脚の長さは約25センチメートルで、ピンクに近い赤色をしています。目は赤色です。飛ぶとき、細長い脚を真っ直ぐに伸ばしそろえて飛びます。湿地や干潟、湖沼、河口、水田などに生息しており、繁殖期はつがいで生活し縄張りを持ちます。繁殖は4月から6月で、4つの卵を産み地表で雄雌共同で代わる代わる抱卵します。抱卵するとき、あの長い足が邪魔になるのではと思っておりましたが、上手に折畳んで卵を温めていました。抱卵期間は約一か月かかるため、この間気象の影響、特に大雨などで水没してしまい孵化率は20パーセント程度とのこと。絶滅危惧種への指定が頷けます。

 

 食性は動物食で、長い脚で水辺を歩き、クチバシを水中に差し込んで、昆虫、エビやカニなどの甲殻類や小魚、ゴカイなどを捕食します。繁殖期はつがいで生活しますが、非繁殖期は家族が集まって少数の群れで行動しているようです。木更津市の蓮池のセイタカシギは、無事雛が巣立ちをしたとのことです。蓮池農家の協力のもとにセイタカシギの営巣地は守られていますが、生業とするレンコン販売が上手く回らないと蓮池の整備にはつながりません。自治体やJAなどバックアップをお願いしたいところです。

 

)   ☆印は、Webウィキペディアのセイタカシギの解説を参照し、一部引用しています。

 

撮影場所;千葉県木更津市長須賀 蓮池

撮影日;2020.6.29