夏鳥として神社のタブの木に渡来した「アオバズク(青葉木菟)」夫婦。妻木菟は、お気に入りの洞(うろ)で抱卵?見張りの夫木菟は近くの枝の上で優しく見守り。

 先日、コウノトリが営巣している小山市の渡良瀬遊水地を訪ねて来ました。この近くには、フクロウで有名な野木神社があります。先輩CMのTさんと一緒に初めて訪ねましたが、町の保存樹木にもなっている大きな欅の木があり、フクロウお気に入りの洞(うろ)があって毎年営巣しているそうです。今年は残念ながら巣立ちしてしまったとのことでした。

 

 野木神社のように、神社の境内には樹齢の高い古木があり、フクロウは木の洞(うろ)を営巣場所にして子育てが行われています。地元平塚市の神社にも「アオバズク(青葉木菟)」が忘れずやって来てくれ、確認は出来ませんが洞(うろ)の中では抱卵が行われているようです。夫木菟が近くの枝の上でじっと監視をを続けていますので間違いなさそうです。

 

 アオパズクは、奄美大島以南の南西諸島で亜種のリュウキュウアオバズクが留鳥になっていますが、九州以北では夏鳥として亜種アオバズクが飛来するとのことです。生態は、留鳥になる個体と渡りを行う個体の二通りがあるようです。前者の分布は、主にインド、スリランカを含む東南アジア地域で、夏季に渡りとしてくる来る国は、日本を始めとして、中国、朝鮮半島、ウスリー島で繁殖し、冬季には東南アジアに南下して越冬するとのことです(☆)。

 

 食性は、昆虫、両生類、爬虫類、小型鳥類、小型哺乳動物などで、主に夜間に行動してこれらを捕食します。鳴き声は、ホッ、ホッと二回ずつ規則正しく鳴きます。喉元を膨らませて低く鳴きますので、注意していないと聴き逃してしまいます。アオバズクの抱卵期間は一か月とのことです。昨年の例では、7月の20日過ぎに雛が洞(うろ)から顔を覗かせてくれました。巣立ちは更に一週間後位でした。これからも優しく見守って、大きく元気に成長して欲しいですね。

 

 最近は梅雨の季節でも気候変動の影響でしょうか、台風並みの強風や竜巻、大雨による河川の氾濫が見られています。神社やお寺の古木は安定しているように見えても台風被害で伐栽を余儀なくされている個所も多く出ており、更に越冬先でも開発が進んで生息場所を失うなど生息環境はどんどん狭まり、アオバズクの個体数は年々減少しているとのことです(☆)。野鳥の生息環境を守るためにも自然環境の破壊は最小限に止めないといけませんね。

 

 洞で抱卵する妻のアオバズクさんを近くの枝に乗って優しく見守る夫のアオバズク君。時折、喉元を膨らませて低く鳴いたり、同じスタイルを取っているため羽を広げてストレッチをしたりします。そのポーズがM製菓の商標登録である天使が羽を広げた形に似ていることから、カメラマンの間では「エンゼルポーズ」と呼んで区別しているようです。大型の野鳥は、ストレッチでこのエンゼルポーズを取りますが、特にアオバズクのエンゼルポーズは、頭を低くして大きなな目玉を見開いて愛嬌があり、管理人は気に入っています。

 

注)   ☆印は、Webウィキベディアのアオバズクの解説から一部引用しています。掲載した石造りのフクロウは、栃木県野木町 野木神社境内の写真を使用しています。

撮影場所;神奈川県平塚市

撮影日;2020.7.10

栃木県下都賀郡野木町の野木神社の石でできたフクロウの親子像

撮影日;2020.7.7