渡り鳥の「チュウジシギ(中地鴫)」が平塚の休耕田に途中立ち寄り、羽休め中。

 休耕田が減少していて渡りの水鳥の立ち寄り先が少なくなっています。鳥仲間のAさんから平塚の休耕田に、渡りの「チュウジギ(中地鴫)」や「タカブシギ(鷹斑鷸)」が立ち寄っているとの情報を頂き、午後から現地を訪ねて見ました。現場には沢山のカメラマンがおり、タカブシギやコアオアシシギのグループとチュウジシギのグループに分かれていました。

 

 管理人の撮影ファイルには、まだチュウジシギの記録はないためこちらを優先して撮影に入りました。ジシギ類は、ムナグロの撮影現場でも遭遇していましたが、草に隠れて全様を見せてくれませんでした。目的のチュウジシギは、草を刈り取った畦道の上にいたため、距離はあるものの全体の姿をはっきりと捉えることができました。一緒に撮影していた方は、野鳥識別図鑑を携行して確認されており、その方や水鳥に詳しいCMさんの話を総合するとチュウジシギで良いようです。

 

 ジシギの見分け方をWebで検索し、タシギやオオジシギ、チュウジシギなどについてどこが違うのか調べて見たのですが、なかなか難解です。大きさや姿形だけでは判別は難しいし、尾羽に違いがあると言っても尾羽を強制的には広げられません。数多く撮影して研鑽していくよりなさそうです。Webでは、石垣島でジシギを撮影してブログをまとめている"NICE  BIRD'S  DAY 鳥見日和"で識別方法を紹介しており参考になりました。

 

 渡り途中のチュウジシギですが、どこから来たのかWebウィキペディアで調べると、オオジシギと同じようにロシア中部のバイカル湖周辺やウスリー川付近で繁殖し、冬はインド、東南アジア、オーストラリアへ渡り越冬するようです。我が国へは東南アジア方面への途中立ち寄り先のようです。立ち寄り中の渡り鳥を観察していると、一様に食べ続けていてなかなか顔を上げてくれません。お腹が余ほど空いているのでしょうか。

 

 チュウジシギは、全長が27センチメートルでタシギと同じ大きさであり、羽色も殆ど同じで見分けがつきません。更にオオジシギは、27.5から31.5センチメートルでチュウジシギやタシギより少し大きいのですが、並んでくれないと分かりません。同じ休耕田の中でコアオアシシギやタカブシギは並んで採餌する場面があり、同じ大きさからアオアシシギではないと判断がつきました。チュウジシギは、尾羽の先端が初列風切りの先端よりも長い点と頭央線がクチバシの基部まで達していないことなどが違いとして挙げられています(☆)。

 

 生態は、水田や湿地に生息し、繁殖地では林の中や水辺などとのこと(☆)。食性は動物食で、ミミズや昆虫、カタツムリなどの貝類を好んで食べるようです。畦道にいたチュウジシギは、長いクチバシを土の中に入れてミミズを食べているようでした。休耕田にやってきた渡り鳥たち、長い道程を乗り越えるためしっかり栄養を付け元気に旅立って欲しいですね。

 

注)  ☆印は、Webウィキペディアのチュウジシギの解説を参照し一部引用しています。

撮影場所;神奈川県平塚市 休耕田

撮影日;2020.9.8