相模湾に来ている冬鳥を観察に長井漁港まで遠征。周辺の岩場は、トビの鳴き声に交じって「ウミネコ(海猫)」の鳴き声がひと際大きく。

 これまで山の野鳥を紹介してきましたが、他の方のブログを拝見していると、海辺の野鳥もどんどん冬の野鳥が入ってきているようです。今日は、相模湾の中でも小田和湾に面する長井漁港を訪ね、海に来ている冬鳥の観察をして来ました。残念ながら漁をしている船が多いせいなのか、目ぼしい野鳥は見当たりません。

 

 遠くの被写体を撮影するとき、太陽を背に撮影する順光を選びますが、相模湾に位置する三浦半島の西海岸は、午前中の間、順光となりとても都合が良いと思います。久し振りに朝から快晴となり、海辺の撮影にはベストのコンディションです。先ほどの順光を選ぶ利点には、海に日光が当たり青さが強調できる点でしょうか。芸術性を求める写真などで、逆光を選ぶ場合もあるようですが、通常は順光を選んだ方が焦点も合い易く作品もきれいに仕上がります。

 

 目ぼしい野鳥はいないと記しましたが、 トビの鳴き声に交じってひと際大きな声で猫の鳴き声がし、遠くにいる相手と鳴き交わしをしていました。冬を目前にして「ウミネコ(海猫)」の数も目立ってきました。この日、小田和湾の中央付近では小型の漁船が漁をしており、追い上げられた魚の飛び上がりを狙って、沢山のウミネコが船の周りに集まっていました。

 

 ウミネコの生息分布は、ロシア南東部、中国大陸東部、台湾、日本、朝鮮半島に分布しているとのことです(☆)。ロシア南東部や朝鮮半島では周年生息する留鳥で、日本でも留鳥として周年生息していますが、北海道や本州北部で繁殖する個体は冬季に南下するそうです。小田和湾に渡来してきているウミネコも場所は分かりませんが、南下してきた個体なのでしょう、春先まで逗留すると思われます。

 

 ウミネコは、全長が44~48センチメートル、翼開長は、120~128センチメートルと3倍の大きさになり、羽根を広げるとチョウゲンボウなどの猛禽よりも大きくなります。名前のウミネコは、猫の鳴き声に似ていることから名付けられたもので、悲しそうで物憂げな鳴き声から、多くの歌謡曲の題材にもなっています。余談ですが、キム・ヨンジャの北のウミネコは、ウミネコの鳴き声をバックにすると情感が高まりますね。

 

 ウミネコの生息域は、沿岸部や河口、干潟などで食性は雑食、主に魚類や両生類、甲殻類、昆虫などを食べ、スズメなどの小型鳥類を襲うこともあるとのことです(☆)。歌にもなっているウミネコですが、猛禽並みになってしまうとは何となく味気なくなってしまいますね。今回、長井漁港で撮影できませんでしたがクロサギの姿も確認しています。これから本格的な冬を迎え、珍しい冬鳥が沢山やって来ることでしょう。

 

注)      ☆印は、Webウィキペディアのウミネコの解説を参照し、一部引用してます。 

撮影場所;神奈川県横須賀市 長井漁港

撮影日;2020.10.24