この冬、座間市にある県立谷戸山公園に、北国からのお客さん「トモエガモ(巴鴨)」が20数羽の大群で押し寄せ。

 座間市にある県立谷戸山公園には先月の終り頃から冬鳥として「トモエガモ(巴鴨)」が逗留中です。驚いたことに20数羽の大群が小さな池を占拠しており、その殆どが頭部に黒、緑、黄色、白色の模様を持つオスのトモエガモです。今年は、寒川町や秦野市に数羽入っているのを確認していますが、こんなに沢山のトモエガモを見るのは初めてです。

 

 県立谷戸山公園は、大山・丹沢国定公園の一角にあり座間市にある大規模な都市公園で、多くの野鳥愛好家の間では人気のスポットになっています。名前のとおり小高い丘に挟まれて谷戸があり、湧き水も出ていて湿地には木道が用意され、水辺の生き物や野鳥の観察ができるようになっています。何より園内には散策路が縦横に整備され、駐車場も方面別に用意されるなど利用しやすいようになっています。

 

 トモエガモが逗留中の池は、谷戸の出口付近にありそれほど大きな池ではありません。池の水鳥などを観察しやすいように木造のステージが用意されており、トモエガモはここから撮影ができます。トモエガモが大群で到着したのは、先月の終り28日頃で、管理人は早速、翌日観察に出掛けましたが、他の水鳥と違って警戒心が強くなかなか近寄ってきません。この日は証拠の写真だけを撮って引き上げました。これだけの数がいるので一時立ち寄りで別の場所に移ってしまうのではと思っておりましたが、今回再度訪ねたところ元気に逗留しており、人にも少し慣れて来たようです。

 

 「トモエガモ(巴鴨)」は、韓国、北朝鮮、中国、日本、モンゴル、ロシア東部やシベリア東部で繁殖し、冬季になると中国、朝鮮半島、台湾、日本に南下し越冬するとのことです(☆)。日本にやって来る数は限られていますが、今年は既に寒川町や秦野市に数羽が入っているのを確認し、座間市では大集団で逗留しています。管理人は、これまでの経験から数羽しか見たことが無いため大群と表しましたが、Web上でトモエガモの大群を検索すると、関東県内では昨年、潮来市で400羽の大群を全国で見ると島根県の美郷町では2,000羽、長崎県の諫早では1,5000羽と半端な数ではありません。

 

 トモエガモの全長は、37~43センチメートル、翼を広げると65~75センチメートルでコガモと同じくらいの大きさになります。オスは肩羽が伸長し、繁殖期には頭部に黒、緑、黄色、白色の巴状の斑紋が入ります(☆)。今やってきているトモエガモのオス達はすべてはこのいでたちなので、越冬を過ぎれば直ぐ繁殖に入るものと思われます。これに対して、メスは他の水鳥と同じ様に地味な色彩で、全身が褐色で黒褐色の斑紋が入っています。

 

 繁殖地のシベリアでは、ツンドラや森林地帯内にある湖沼や渓谷、湿原、水辺のある草原などに生息し繁殖をしているとのことです。食性は、植物食の強い雑食で主に種子を食べ、また水生植物、藻類、昆虫、甲殻類を捕食するとのことトモエガモの和名の由来は、頭部に黒、緑、黄色、白が巴状の斑紋が入ることから付けられ、環境省の絶滅危惧種Ⅱ類に指定された野鳥です(☆)

 

注) ☆印は、Webウィキペディアのトモエガモの解説を参照し、一部引用しています。

左上;奥の池にも半分がいて、顔を出し整列したのは半分程度。

右上;三羽の兄弟は好奇心旺盛、沢山のカメラマンに興味があり近ずくも慌ててターン。

左下;先住鳥のマガモを押しのけ、近くの岩場に顔を出したトモエガモの群れ。

右下;岩場には長くいられず、一羽が飛び立つと次々と退散。

 

撮影場所;神奈川県座間市入谷西 県立谷戸山公園

撮影日;2020.12.11