シベリア方面から到着したばかりの「ツグミ(鶫)」達は慣れがいまいち。群れで行動し高い木々を鳴きながら飛び交って。

 コロナ感染症の問題は年末を迎えて、より一層の緊張体制が取られることになりました。今年はこれに加えて鳥インフルエンザの流行が宮崎県や香川県など西日本で広がりを見せ、養鶏場の鶏を全数殺処分にするなど養鶏農家には大打撃となっています。冬は、日本を越冬地とする野鳥が多く、野鳥への感染が心配されるところです。

 

 こうした心配をよそに冬鳥たちは元気に到着してきています。昨日は神奈川県相模原公園を訪ねました。園内の木々は紅葉が進み、落葉まてあと少しと言った感じです。公園の中心には大きな噴水があって、ちょうど宮廷庭園の中にいるような感覚になり多くの県民の憩いの場として親しまれています。森や林が多いことから野鳥も沢山観察することができます。

 

 高い木々の間を群れになって、キョ・キョ・キョと鳴きながら飛び交う野鳥を確認しました。冬鳥の「ツグミ(鶫)」が、リーダーの発する鳴き声で一斉に飛び立ち、次の高木に移っているのです。この場所は園の外れにあり、5月には菖蒲の花で賑わいます。菖蒲は終わり来年の春を待つだけになっていますが、菖蒲田に取り込む水が掘割に残り、それを目当てに小鳥が水飲みに来たりしています。3年前にはイカルに混じりコイカルなどの珍しい野鳥も姿を見せてくれました。

 

 「ツグミ(鶫)」は、Webで検索すると陸上自衛隊の歌姫、鶫真衣(つぐみまい)さんが一番に出てきます。ツグミの鳴き声は鶫真衣さんのようにキレイではありません。ツグミは、中国、台湾、日本、ミャンマー北部、ロシア東部地方に分布し、夏季にシベリア中部で繁殖し、冬季になると中国南部へ南下し越冬します。日本では冬季に越冬のため渡来します。名前の由来は、口をつぐむのツグムから来ているそうです。冬の間は聞こえたツグミの鳴き声が、夏になると全く聞こえなくなる鳥ということで、鶫と名付けられたようです(☆)。

 

 ツグミは、スズメよりも大きく全長24センチメートル、翼を広げると39センチメートルあります。クチバシは黒く、下クチバシ基部は黄色で頭部から後ろ首の羽衣は黒褐色、背の羽衣は褐色、喉から胸部は淡黄色、胸部から腹部の羽衣は白色と黒の斑紋、尾羽は褐色や黒褐色になります(☆)。ツグミの亜種のハチジョウツグミは、胸部から腹部の羽衣が橙色をしています。ツグミは到着したてなので団体行動をしていますが、落ち着いてくると分散するとのことです。ツグミの群れに混じっているハチジョウツグミ、一羽ずつ見分け易くなりますので注意して観察したいですね。

 

 ツグミは、平地から山地にかけての森林や草原、農耕地などに生息しています。越冬地では山地の森林に群れで生息し、やがて平地に移動して分散していきます。食性は雑食で昆虫、果実などを食べます。名前がはっきりしませんが、落葉樹で黄葉する高木で、枝先には沢山の小さな赤い実をつけており、ツグミは小枝に止まりながら、この実を美味しそうに啄んでいました。

 

注) ☆印は、Webウィキペディアのツグミの解説を参照し、一部引用しています。

撮影場所;神奈川県相模原市 県立相模原公園

撮影日;2020.12.14