国からコロナ感染拡大抑止の緊急事態宣言発出!鳥撮りも三密を避け、身近な公園や河川敷で楽しむ「カワセミ(翡翠)」撮影などで遠出自粛の実践。

 コロナ感染の波は急拡大し、政府も先週1月8日の金曜日、エリアを限定して二度目の緊急事態宣言を発出しました。感染拡大防止に向けて国民一人一人の協力が求められています。検査体制の充実していない我が国においては、無症状感染者が自覚のないまま市中を動き回る結果、感染を広げていると考えられています。

 

 野鳥撮影は三密とは無縁だなどと判断して遠出をしたくなりますが、業務とは言えない不要不急の行為であり、一人一人が自重した行動規範を示して行かなければならないでしょう。そうは言っても、家にずっと籠ってばかりでは体調を損ないますので、管理人は適当に近くの公園や河川敷で身近な野鳥撮影を楽しもうと考えています。

 

 昨日は、座間市は座架依橋付近の河川敷を訪ねました。この河川敷には、堰止湖のような池が何か所かあり、小魚や小海老等などが生息しています。周囲は葦や低木で覆われているため、野鳥たちの水飲み場として利用されているようです。この時期、水飲みにやって来るのはヒヨドリかツグミが多いのですが、突如、ピツピツピーと鳴きながら飛んでいく青色の小鳥が。目の前の枝に止まりました。クチバシは黒く、背中は青色、胸毛から腹まで橙色をした"カワセミ(翡翠)"が来てくれたのです。

 

 今回は、「カワセミ(翡翠)」について改めて紹介したいと思います。カワセミの繁殖する地域は、北半球の温帯域に集中しており、南半球地域は越冬のための地域で繁殖地域にはなっていません。また、温帯域には日本のように周年生息している地域と温帯域より緯度の高い地域では、繁殖だけで越冬地に渡って行くパターンに分かれています(☆)。カワセミは、漢字で川蝉とも表記し、川に住むセミを意味しますが「蝉」とは関係ないとのことです。セミは、古語の「ソニ」から変化して「セミ」になったとのことです(☆)。川蝉は、カワセミの音を単に当てただけのものなのですね。

 

 カワセミの大きさは、クチバシを入れて17センチメートルありスズメよりやや大きいのですが、クチバシを外すと同じくらいの大きさになります。翼を広げた大きさは25センチメートル、重さは19グラムから40グラムになります。クチバシは黒くて長く、頭が大きく、クビ、尾、足は短く、足は成鳥の場合、赤色、幼鳥は黒色をしています。胸から腹、尾に至るまで橙色で、背中や翼はカワセミブルーと言われる青色をしています。この青色は、色素によるものではなく、羽毛にある微細構造により、光の加減で青く見えるとのことです。構造色と呼ばれ、シャボン玉が分光で色々な色に見えるのと同じ原理とのことです。構造色の例として焼き付け前のCDが分光で色々な色に変わるのを見たことがあると思います。

 

 私たちは、何気なくコバルト・ブルーのカワセミを綺麗だなと感じるだけでしたが、あの美しさの根本には物理学的な色の仕組みがあったことが分かりました。また、背中の水色は光の当たり方で緑色に見えることがあり、ヒスイ・翡翠の緑を表す由来にもなっています。翡翠と呼ばれるカワセミは、時に「渓流の宝石」とも呼称される所以でもありますね。

 

注)☆印は、Webウィキペディアのカワセミの解説を参照し、一部引用しています。  

撮影場所;神奈川県座間市座架依橋付近 相模川中州

撮影日;2021.1.12

左側;宝石の"翡翠"は、この鳥の羽の色に由来して付けられる。カワセミの漢字表記も「翡翠」です。

中央;カップル確定は、メスがオスからの貢ぎ物(小魚)を受けた時に成立。クチバシを開け、魚を貰っている方がメス。

右側;背中の中央(拡大補正)、水色線がカワセミブルー。時に緑色(翠色)に見える?

撮影場所;神奈川県大和市 福田公園   撮影日;2020.3